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文鳥と皮膚真菌症(皮膚糸状菌症)

指輪を咬むぽん先生
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トップ画像:水虫は鳥にも発症するか研究するぽん先生(@comatsu_cotoLi

皮膚真菌症とは、人間でいえば水虫のことです。

文鳥では頭や首に発症しますが、稀な病気ではあります。

皮膚にカビが繁殖し、かゆみが生じます。文鳥は爪で引っかいてしまい、出血を起こすこともあります。

真菌とは何かという基本的なところから、丁寧に学んでいきましょう。

そもそも、「真菌」や「糸状菌」とは何のことか確認しておきましょう。

真菌とは、いわゆるカビのことです。

真菌をさらに細かく分類すると、「酵母菌」「担子菌」「糸状菌」に分けられます。有名なイースト菌などは酵母菌です。キノコ類は担子菌です。残った糸状菌が、我々が一般的にイメージする「カビ」に相当します。

真菌の胞子は空気中や土中など、あらゆるところに存在しています。しかし、文鳥も人も、健康であればそれらと共存していく抵抗力を持っていますから、通常は問題が生じません。

皮膚真菌症とは?

不潔にしていたり、免疫力が低下していたりすると、真菌による感染症を起こします。

皮膚上に真菌感染の症状が現れたのが皮膚真菌症で、人では水虫などが比較的よく観察されます。

文鳥を含め、鳥では皮膚真菌症は稀にしか見られません。

皮膚真菌症の原因

文鳥に皮膚真菌症を起こす菌は、アスペルギルス菌やカンジダ菌が有名です。これらの真菌は消化管内などに感染して病気を起こす可能性があり、通常はそちらの方がよく見られるでしょう。

何らかの病気で弱っている時、栄養管理が不適切で免疫力が低下している時、飼育環境が不適切で真菌繁殖の好条件が揃っている時などに、上記の菌が皮膚に感染することで皮膚真菌症を発症します。

この他、老化による免疫力の低下が原因になる場合もあれば、抗生剤やステロイド剤の乱用により医原病的に皮膚真菌症が起こる場合もあります。

皮膚真菌症の症状

頭や首の羽毛が少しずつ抜け、やがて皮膚が赤く盛り上がります。進行すると黄色いかさぶた状のものができます。

文鳥はかゆみのために爪で引っかくようになり、出血することもあるでしょう。

放置していると肥大したかさぶたが皮膚と一緒に剥がれて大出血を起こし、命に関わる事態に発展することがあります。

なお、皮膚真菌症に関わらず、文鳥の皮膚に異常が見られた時に飼い主の判断で塗り薬を塗ってはいけません。文鳥は皮膚や羽毛についた塗り薬が気になって、爪でかいたりクチバシでつついたりしてしまいます。こうした刺激により、皮膚の病状は悪化します。

皮膚がおかしいと思ったら獣医師の診察を受け、塗り薬を処方された時は指示を守って投薬するようにしてください。

皮膚真菌症の予防

真菌の感染を予防するためには、適切な栄養管理により、免疫力を維持することが重要です。

特にビタミンAは皮膚の防御機能を健康に維持するために重要な栄養素です。きちんと青菜を与えて、ビタミンAが不足しないようにしましょう。

また、不適切な飼育環境も、文鳥の健康を害するうえに真菌の繁殖を促進してしまうため危険です。

基本的な衛生管理を徹底しましょう。フンの掃除をきちんと行い、適度に換気を行うことも忘れないでください。高すぎる湿度と低すぎる湿度の、どちらも真菌の増殖が促進されます。ケージは定期的に水洗いし、日光で乾燥させましょう。

エサや飲み水には新鮮なものを使います。

文鳥は水浴びが大好きですが、小さな身体ながらパワフルに水浴びするため、辺りはびしょ濡れになります。濡れた場所や飼育グッズはきちんと拭いて乾かし、特にエサに水がかかった場合は腐敗しやすくなるので早めに交換しましょう。

下記のようなケージに外付けするカバー付きの水浴び器は、水の飛散を抑えられるので便利です。

ただし、当然ですが出入り口からは水が飛びますし、水浴びを終えた後の文鳥は身体を乾かすためにブルブル震えて水を飛ばします。また、きちんと分解して洗浄しないと不衛生になりがちな点には注意が必要です。

カバー付きの水浴び器を使っていても、エサが水濡れしないように注意することと、定期的にケージを洗浄することは欠かせません。

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