文鳥と結膜炎
トップ画像:結膜炎と無縁なツヤツヤぽん先生(@comatsu_cotoLi)
人間の結膜炎は病原体への感染や花粉症などのアレルギー反応によって生じます。
一方、文鳥の結膜炎は、目そのものに異常が生じて結膜炎に至る事例は少ないのです。鼻炎や口内炎などからの続発や、身体が全体的に調子が良くない場合に生じます。
単に目に気をつけていればよいという訳ではないのが、人間が持つ結膜炎のイメージと異なりますから、注意が必要です。
そもそも「結膜」とは何でしょうか?
結膜は、まぶたの裏と眼球との間にある膜のことです。まぶたと眼球とを結びつけていることから結膜と呼ばれています。
この結膜が物理的に傷ついたり、病原体が侵入したりすることで結膜炎を生じます。
文鳥の結膜炎が単独で発症する事例は多くありません。大抵は鼻炎や副鼻腔炎などの、上部気道疾患からの続発します。
参考:文鳥と鼻炎
口内炎から続発する場合もあります。
参考:文鳥と口内炎
文鳥の呼吸器は目や口と密接に繋がっており、どこかで生じた炎症が連鎖的に広がっていきやすいのです。
したがって、結膜炎を生じたからといっても、根本的な原因は目ではない場合が多々あります。
例えばトリコモナス症を発症すると鼻炎や口内炎とともに結膜炎を生じる場合があります。
この場合は、そもそもの原因はトリコモナスに感染したこと、もっと言えばトリコモナス症を発症してしまった免疫力の低下状態にあることが考えられるため、目に注意していても根本原因を解消することができません。
参考:文鳥とトリコモナス症
人間は結膜炎になると目薬をさせば治ってしまうことが多いようですが、文鳥では異なるという点には、ぜひ注意してください。
とはいえ、文鳥でも結膜炎が単独で生じることが無いわけではありません。
シードの殻などの異物が入ってどうしても取れない場合や、ビタミンAの欠乏で目が乾燥している場合、ケンカで傷ついた場合、汚れた止まり木で目を掻いた場合などに、結膜炎が単独で生じることがあります。
結膜炎の症状
結膜炎の発症初期にはまぶたの裏が充血して赤くなります。まぶたをめくらないと分からないので、これを観察するのは難しいです。
ただ、結膜の違和感から目をしばたかせたり、閉じていたりすることがあります。
病状が進行すると、まぶたの表面も赤く腫れてきます。流涙が増加し、目の周りの羽毛が濡れたり汚れたりすることもあるでしょう。目ヤニが出ることもあります。
目を頻繁に掻いたり、止まり木やおもちゃに頻繁にこすりつけるようになります。
結膜炎に限らず、目に障害が出た鳥は光を嫌う様子を見せるようになるため、普段と違う行動を取る子も居るでしょう。
さらに悪化すると第三のまぶたである瞬膜まで腫れてしまいます。
参考:文鳥の目
結膜炎の予防
文鳥の結膜炎は鼻炎・副鼻腔炎や口内炎から続発するため、これらを予防することが重要です。
すなわち、栄養バランスの良い食餌と、衛生的な飼育環境、規則正しい生活で、免疫力を維持しましょう。
栄養バランスでは、特に目の乾燥を防ぐためにビタミンAの摂取が重要です。
参考:文鳥とビタミンA欠乏症
衛生的な飼育環境という点では、止まり木を綺麗に保つことが重要です。
止まり木の汚れから結膜炎を生じることはもちろん、結膜炎になった文鳥が目を掻いた止まり木を別の文鳥が使うことで感染が広がってしまう場合があります。
参考文献
書籍
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