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文鳥と口内炎

横向きのぽん先生
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トップ画像:口内炎の講義をするぽん先生(@comatsu_cotoLi

口内炎は比較的よくある症状ですが、文鳥の身体の構造上、手当てが遅れると副鼻腔炎などの治療に時間がかかる病気に発展する危険性があります。

一緒に暮らしている飼い主が病気のサインをしっかりキャッチすることで、早めに治してあげたいですね。

また、口内炎は挿し餌の関係から、特に文鳥のヒナでは注意が必要です。

注意点をまとめてありますので、ご一読ください。

口内炎?

口内炎というと人間でもポピュラーな症状ですが、文鳥でもよく起こります。

口内炎をきっかけに副鼻腔炎や鼻炎、喉頭炎などに波及する場合もありますので、注意が必要です。

口内炎を発症する原因は様々ですが、「感染性」と「非感染性」の大きく2つに分けることができます。

感染性

細菌や真菌、寄生虫が直接の原因となって口内炎が引き起こされることがあります。

最も頻繁に見られるのは真菌であるカンジダが原因になるものです。

カンジダ症に続くのが、トリコモナス原虫という寄生虫によって起こされるトリコモナス症です。

直接的にはカンジダやトリコモナスによって感染性の口内炎が引き起こされますが、「非感染性」の欄で解説するように、栄養失調や口の中の傷などが発症に寄与している場合も多くあります。

また、健康でも免疫力の弱いヒナや幼鳥では特に警戒が必要です。

非感染性

栄養失調や口の中のケガによって粘膜が破壊され、口内炎を発症することがあります。

栄養失調では、特にビタミンAの欠乏に注意する必要があります。ビタミンAは「表皮保護ビタミン」と呼ばれ、粘膜の機能維持に欠かせない栄養素です。

口の中のケガでは、壊れたオモチャやワイヤーによってケガをしたり、文鳥同士のケンカの際に舌をケガしたりする場合があります。

この他、ホウレン草やサトイモ、煎茶、観葉植物の一部に多く含有されるシュウ酸カルシウムが原因で口内の粘膜が傷つく場合があります。

人間でも、サトイモの皮を剥いていると手がピリピリすることがあろうかと思いますが、シュウ酸カルシウムの結晶は鋭い針状であり、それが皮膚に突き刺さるためにピリピリしているのです。文鳥の口の中も、このシュウ酸カルシウムの針によって傷つけられます。

また、ヒナにおいて特に注意しなければいけないのが挿し餌です。

文鳥のヒナを人間が育てる場合、挿し餌に給餌スポイトを利用する飼い主も多いかと思いますが、このスポイトがヒナの口内を傷つけ、口内炎に至る場合があります。

また、高すぎる温度の挿し餌によって口の中の粘膜が破壊され、口内炎を発症する場合もありますので、挿し餌には十分注意してください。

口内炎の症状

口内炎を発症すると、粘膜が赤く腫れたり、粘液が増えたりします。

進行すると潰瘍や、プラーク(白っぽい班)が形成されます。

さらに重度になると膿瘍や肉芽の形成に至り、これらが大きく膨張することによって呼吸が苦しくなったり、呼吸時に異音が出るようになったりする場合もあります。

口内炎を生じた文鳥では、口の中に違和感があるため、口や舌を頻繁に動かしたり、頭を振ったりするようになります。そのほか、口を半開きにしていることが多くなるでしょう。

また、痛みから食欲不振になったり、餌をついばむものの上手く殻を剥いて食べられなくなったりします。このため、口内炎が体重の減少を招くことがあります。

他には、吐出やよだれ、口角のよごれ、口臭などの症状が見られる場合があります。

口内炎をきっかけに、鼻炎や副鼻腔炎を続発する場合があり、注意が必要です。

口内炎の予防

口内炎予防の第一は適切な栄養管理によって、粘膜機能を健康に保つことです。

特にビタミンAを不足させないことが重要です。

シード食の文鳥は青菜やビタミン剤が適切に与えられないとビタミンAが欠乏するので注意しましょう。

ペレット食の文鳥の場合、ビタミンAが欠乏する可能性は低いでしょう。過度のビタミン剤投与に注意してください。

ビタミンAは文鳥の体内で、β-カロテンから変換されます。β-カロテンの含有量が多く、文鳥が食べられる野菜には、人参、春菊、小松菜などが挙げられます。

そのほか、安全で衛生的な飼育環境も重要です。ケガを予防し、感染症を防ぎましょう。

危ないオモチャは無いか、観葉植物を噛んでしまう危険は無いか、水や餌は新鮮かなどに注意しましょう。

また、餌は濡れると腐敗が早くなります。文鳥の水浴びで餌入れに水が掛かっていないか気をつけてください。

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