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文鳥とチョコレート中毒

チョコがないか見回り中のぽん先生
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トップ画像:チョコがないか見回り中のぽん先生(@comatsu_cotoLi)

チョコレートの甘い香りは文鳥も人間もつい引き寄せられてしまいますが、文鳥にとってはごく少量でも命を落としかねない猛毒です。

中毒の原因物質はカカオに含まれているため、チョコレート以外のカカオ製品にも広く注意する必要があります。

チョコレート中毒が発生する病理や症状、予防について学びましょう。

チョコレート中毒の原因

人間の食品で鳥に有害なものはたくさんありますが、チョコレートは最も代表的な有毒食品であると言えるでしょう。

チョコレートが鳥に有毒なのは、カカオに含まれるテオブロミンとカフェインが主な原因であるとされています。

人間は摂取するチョコレートの量に比べて十分に体重が重いことに加え、テオブロミンやカフェインを比較的すばやく代謝する能力を持っているため、チョコレートを食べても何も起きません。対して、鳥類はもちろん犬や猫も含め、多くの動物は人間より体重が軽く、代謝に要する時間も長いため、中毒症状を起こしてしまいます。

特に鳥類は飛翔を可能にするために、身体の大きさに対して体重がとても軽くなっています。このため、極微量のチョコレートでも深刻な中毒症状を起こします。

例えば、ニュージーランドで野生のミヤマオウムがチョコレートを食べてしまい中毒死した事例がNew Zealand Veterinary Journalで報告されています。

この事例では検死解剖の結果、そ嚢から20gのダークチョコレートが発見されました。中毒死したミヤマオウムが摂取したと考えられるテオブロミンの量は少なく見積もって5mg程度。カフェインは0.4mg程度であると推定されています。

ミヤマオウムはニュージーランド固有種の大型のオウムで、全長は46cm、体重は700gから1kg程度にもなります。仮に中毒死した個体の体重が700gであったとすると、体重1gあたり約0.029gのチョコレートで致死量という計算になります。

この数字を文鳥に当てはめると、体重25gの文鳥は約0.7gのチョコレートで死に至る可能性があるということになります。1円玉硬貨が正確に1gの重さですから、指に乗せてみると良いでしょう。その重さの半分程度で深刻な中毒症状を起こすというイメージを持つと、いかに少量で危険なのかがよく分かります。人間にはほとんど知覚不能の重量です。

なお、テオブロミンとカフェインはカカオに含まれていますから、同じ「チョコレート」でもカカオの含有量によって毒性の強弱が変わります。色が黒く、苦味の強いダークチョコレートの方がカカオの含有量が多く毒性が強い一方で、ミルクチョコレートのような白っぽいチョコレートはカカオの含有量が少なく、毒性も弱くなります。

とはいえ、文鳥ほど小型の鳥になると、どちらにせよ極微量で致死量に達することに変わりはありません。

チョコレート中毒の症状

テオブロミンとカフェインにより、主に循環器系と中枢神経が障害されます。

チョコレートを摂取してから数時間以内の短時間で発症します。不整脈や高血圧、全身のうっ血などの循環障害のほか、ふるえや痙攣、開口呼吸、昏睡などの中枢神経症状を見せ、死に至る場合もあります。

胃腸障害により激しい嘔吐や下痢が見られることもあります。胃出血が生じると、メレナと呼ばれる黒色便が見られます。

このほか、採卵鶏での症状になりますが、肝臓と腎臓が障害されることが報告されています。成長に伴う体重増加の鈍化や、産卵の低下を引き起こしています。

チョコレート中毒の予防

文鳥がチョコレートに接する機会が無いように徹底する必要があります。

「チョコレート中毒」と言っていますが、テオブロミンやカフェインを含むのはカカオですから、チョコレート以外にもカカオを含む製品全般について警戒する必要があります。ココアパウダーはもちろん、各種ソフトドリンクにも注意しましょう。

カカオの含有量が多いチョコレートは文鳥を始め多くの生き物にとって猛毒となります。一般的なチョコレートは30%~40%程度のカカオ含有量ですが、近年は高カカオを売りにしたチョコレートが人気を博しています。

高カカオチョコレートは人間に影響を与えるほどのテオブロミンやカフェインを含有していたり、カカオの残留農薬が問題視されたりと、国民生活センターが人間向けに注意喚起の発表をしています。

人間にも影響を与える程のカカオ含有量です。当然、人間の0.04%程度しか体重のない文鳥は極微量で致死量に達すると考えられます。高カカオチョコレートの取り扱いには特に注意しましょう。

具体的には、チョコレートをはじめ人間の食べ物が出ている時に放鳥しないルールを徹底すること、チョコレート食品を食べたら食卓や床を拭いてから放鳥すること、チョコレート食品を食べたら手洗いうがいをしてから愛鳥と接すること等の施策が考えられます。主に鳥の世話をする人だけでなく、同居の家族全員でルールを厳守するようにしましょう。

万が一、愛鳥がチョコレートを摂取してしまった場合は、すぐに病院を受診しましょう。摂取してすぐであれば活性炭の投与やそ嚢洗浄、胃洗浄により、大事に至る前に対処できます。

特別な解毒剤が存在するわけではないものの、中毒症状が現れてしまった場合でも強心剤や鎮静剤の投与など、できることはありますから、諦めずに大至急病院を受診してください。

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