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文鳥が怒る場面とその理由を知ろう

飼い主の無礼に怒るぽん先生
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トップ画像:無礼な飼い主に怒るぽん先生(@comatsu_cotoLi)

文鳥は気が強く、同居の文鳥に対してはもちろん、体の大きな人間に対しても果敢に挑んでいきます。

文鳥が怒る様子は初心者の飼い主にとっても分かりやすく、文鳥が怒る場面とその理由を知ることで、今までよりもずっと上手に文鳥の気持ちを理解することができるようになります。

今回は、文鳥が怒る場面とその理由、そして怒らせないためにできることについて、詳しく学んでいきます。

怒った文鳥の様子を知るには、ケンカしている文鳥どうしの様子を見るのが一番です。次の1分弱の動画は、とても分かりやすく威嚇しあっている文鳥の姿が撮影されています。

動画をご覧いただくと分かるとおり、文鳥は武器であるクチバシを少し開いて前に突き出しつつ、「キャルキャルキャル」「カルルルルル」という声を発して怒っていることをアピールします。それと同時に首を左右に振って、今にも襲いかかりそうな様子を見せます。

飼い主の手の上で怒る様子を見せた場合、飼い主の指を掴む文鳥の足に力が入るのを感じることができるでしょう。しっかり踏ん張って、クチバシ攻撃の反動を支えようとしているのです。

文鳥が怒るとどうなる?

文鳥が怒ると一体何が起きるのでしょうか?

当然ですが、文鳥が怒れば飼い主は噛まれます。

事前に「キャルキャルキャル」という警告音を出してくれることもありますが、そういった警告が一切無いままに突然怒り出して噛むこともあるため、飼い主は注意が必要です。

人間の怒りに「軽い怒り」から「激怒」までのグラデーションがあるように、文鳥の怒りにも程度があると思われます。ちょっと怒った程度なら噛みつかれても大して痛くないでしょう。

仮に文鳥を激怒させてしまったとしても、文鳥の噛む力は弱く、目や唇のような急所さえ避ければ、人間がケガを負うことは稀です。

怒りとは別の話になりますが、普通に遊んでいる時に、人間の指のささくれを行き掛けの駄賃として剥いていく文鳥は多いです。ささくれを剥かれると血が出ることがあるので、むしろ文鳥が怒っていない時の方が、飼い主が自分の血を見る機会は多いかもしれません。

文鳥が怒る場面とその理由

ここからは文鳥が怒る具体的な場面について、よくあるパターンを詳しく学んでいきましょう。

指先・ペン先を向けられて怒る

今回の講義の冒頭で見たように、文鳥どうしのケンカはクチバシを使って行われます。クチバシを相手に向けることは、ケンカをしかけるメッセージなのです。

人間にクチバシはありませんが、指先やペン先など、細長いものの先端を向けられた文鳥は「ケンカを仕掛けられた!」と感じて応戦しようとします。

特に、まだ文鳥と飼い主の間の信頼関係が十分に構築できていない場合は、細長いものを文鳥に向けないように飼い主がよく注意しましょう。

基本的には指先などを文鳥に向けない方が良いのですが、既に強固な信頼関係がある文鳥と飼い主との間であれば、じゃれ合いの一環として文鳥自身も受け止めているフシがあります。オスであれば、しばらくキャルキャルと威嚇してつついた後に上機嫌に歌い出すこともあるでしょう。

ケージ内に手を入れられて怒る

文鳥は縄張り意識が強く、特にオスはその傾向が顕著です。

自分の大事な寝床であるケージの中に飼い主が手を入れようとすると、たとえそれが餌や水の交換などお世話のために必要な行為でも、文鳥は怒ります。

縄張りの侵害は文鳥が最も嫌がる行為のひとつであり、パートナーの飼い主に対してであっても激怒する場合があるほど、文鳥にとって深刻な問題です。

ケージの中に手を入れる前にひと声掛けたり、指を曲げて指先を下げた状態で文鳥に手を見せて「これからケージの中に手を入れるよ」ということを伝えると、だいぶ態度が軟化します。

特にオスの文鳥の場合、指先を下に向けた飼い主の手を見て歌い出すことがあるでしょう。その歌が終わるまで指先を下げてじっとしているのが、文鳥界におけるお宅訪問の正式なマナーです。

このマナーを守ることで、「この飼い主は自分のことを対等に扱っている」と文鳥に理解してもらうことができ、飼い主も文鳥もお世話のストレスが軽減されるでしょう。

餌に手を出されて怒る

ご飯の取り合いが原因のケンカは、文鳥にとっては文字通り「日常茶飯事」です。

次の動画はハワイ島に暮らす野生の文鳥たちの様子ですが、冒頭の1分間を眺めているだけでも次々とケンカが勃発していることが分かります。

飼育下の文鳥でも、飼い主が餌の交換にモタついたり人間の食べ物を狙っている文鳥の邪魔をしたりすると、野生顔負けに怒ります。

ところで、人間の食べ物を文鳥に食べさせるのはそ嚢炎や中毒の原因になる可能性があり危険です。人間のご飯やおやつが食卓に出ている間は、放鳥を行わないように注意しましょう。

キーボードやスマホを操作中の飼い主に怒る

文鳥は飼い主の行動に興味津々であり、飼い主が自分に注目しているか否かには特に敏感です。

せっかく自分がケージの外に出て飼い主と遊べるはずの放鳥時間に、飼い主がパソコンやスマホに意識を向けていると、文鳥は無視されていることに気づいて怒ります。

キーボードを操作している手に噛み付いて邪魔してみたり、スマホに夢中になっている飼い主の首に噛み付いたりして、気を引こうとするでしょう。

放鳥時間中に文鳥に集中しないことは、コミュニケーションの質を下げるだけでなく、文鳥が思わぬ位置に居ても気づかないことが多くなるなど、事故の可能性を高めます。

放鳥するのであれば、その間はきちんと文鳥に集中するようにしましょう。

保定されて怒る

文鳥の健康状態を確かめたり爪を切ったりするために保定が必要になることがありますが、多くの文鳥はこれを嫌い、怒ります。

特に爪切りは保定で胴体を固定されることに加えて足まで固定されてしまい、保定時間も長くなりがちであることから、時に飼い主との信頼関係にヒビが入るほど激怒します。

爪切りは失敗すると文鳥がケガをしますし、爪切りの緊張で発作を起こす子も居るため、自信のない飼い主は病院で爪切りしてもらうようにすると良いでしょう。

ブランコやおもちゃに怒る

野生の文鳥に比べて、飼育下の文鳥は何かを威嚇する必要性に欠けています。

特に単頭飼いの場合は、文鳥にとって脅威となるものが全く無いことも珍しくなく、のほほんとしています。

その気晴らしのためなのか、あるいは威嚇の練習のためなのか、何の脈絡もなくブランコやおもちゃに対して怒ることがあります。

お気に入りのおもちゃに対して突然激しく攻撃し始めるため、初めて文鳥を飼う人は驚くかもしれませんが、特に深い理由はないので優しく見守りましょう。

同居の文鳥に怒る

文鳥は気が強い子が多く、気の合うペアでない限りは仲良くなることはありません。

文鳥どうしのケンカでは相手の目を狙うため、目をケガしたりアイリングを欠損したりする危険がありますから、注意が必要です。

多頭飼いの家庭では、文鳥どうしが激しくケンカをしてしまうために、お互いのケージを見えないように仕切りを置いたり、放鳥時間をずらしたりなど、工夫が必要なことが多々あるでしょう。

飼い主を盗られそうになって怒る

文鳥が飼い主に懐く時は「主従関係」ではなく、対等な「恋愛関係」にあると感じています。

したがって、自分のパートナーである飼い主が別の人間と仲良くしていたりすると、その相手に対して怒ることがあります。

「妻に懐いている文鳥が、何もしていない夫に怒る」といったようなことがある場合、夫婦が仲良く過ごしている様子を見て文鳥が嫉妬しているのかもしれません。

あるいは人間の夫婦に赤ちゃんが産まれた場合、チヤホヤされている赤ちゃんに対して嫉妬して、攻撃的になってしまう場合もあります。

特に新たな家族が増えた場合は、「新しい家族が増えたけど、キミ(文鳥)のことを大事にしていることに変わりはないよ」ということをパートナーである飼い主が態度で示すことが必要です。

赤ちゃんの様子を見に行く文鳥を追い払うようなことをしたり、放鳥時間なのに赤ちゃんを優先したりしていると、文鳥は傷つき、嫉妬します。

放鳥時間は文鳥のことだけを見てあげて、パートナーが自ら赤ちゃんのもとに文鳥を連れて行って紹介したりするなど、文鳥を尊重する態度を失わないようにしましょう。

求愛ダンスの聞き方に怒る

オスの文鳥が飼い主に対する愛情表現で求愛ダンスを踊るのは有名です。

この求愛ダンスの聞き方が悪いのか、あるいは求愛ダンスで気分が高揚しているせいなのか、ダンスの直後に飼い主に激しく怒ることがあります。

通常はごく短時間だけ烈火の如く怒り、普段よりも強く噛み付いてきますが、すぐに上機嫌に戻ります。

怒っていると勘違いしやすい場面

下記に紹介するのは、初めて文鳥と暮らす飼い主が「文鳥が怒ってる!」と勘違いしやすい場面です。怒っているわけではないので安心して下さい。

飼い主の爪を噛む

人間の爪の感触は文鳥のクチバシの感触と似ており、カミカミしたがる子は多いです。おそらくコミュニケーションのつもりでしょうが、このとき指にささくれがあると文鳥は毟らずにはいられないので注意が必要です。

あらゆるものに興味津々で何でも噛みたがる幼鳥期は、カミカミしたがる傾向は顕著でしょう。まだ甘噛みの加減もよく分かっていないので、飼い主は痛く感じるかもしれません。

ただ、この時期に文鳥を叱りつけたり、痛みから文鳥を払いのけるようなことをして怖がらせたりすると、大人になっても人間に懐かなくなることもあります。飼い主はじっと耐えましょう。

飼い主の手や服の中でグイグイ押す

特にオスの文鳥でよく見られますが、飼い主の手の中や服の中に潜り込んで、脚を踏ん張ってグイグイと押すような動きをすることがあります。興が乗ってくると激しく力強くなっていき、結構痛く感じることでしょう。

これは怒っているわけではなく、巣作り行動です。飼い主の手や服の中以外でも、狭くて薄暗い場所で巣作り行動を見せることがよくあります。

飼い主の手や服の中で巣作り行動を見せる場合、愛情表現のひとつと考えて良いでしょう。自分から服の中に潜り込むほど信頼している大好きな飼い主に対して、「飼い主に巣を作ればずっと一緒に居られる」との目論見で文鳥は巣作りをしています。

グイグイ押す動作の他に、ティッシュのような巣材を持ってくるのも、巣作り行動の特徴です。

狭く薄暗い場所でクチバシを向けてくる

狭く薄暗い場所に籠もった文鳥が飼い主に向けてクチバシを向けて来ることがあります。

威嚇と同じ様にクチバシを軽く開き、首をウネウネと左右に振るのでかなり紛らわしいのですが、鳴き声が怒った時の「キャルキャルキャル」という音と少し異なっているのが手掛かりになるでしょう。次の動画をご覧ください。

動画はメスの文鳥で、これは怒っているのではなく飼い主に甘えています。

狭く薄暗い場所は文鳥に巣を連想させ、「一緒に巣に入って欲しい」とパートナーである飼い主を誘って甘えているのです。

文鳥がすぐ怒る?

文鳥はもともと短気な小鳥ではありますが、「それにしてもすぐ怒るようになった気がする・・・」という場合には、以下のような点に心当たりが無いか考えてみると良いでしょう。

まだ信頼関係が築けていない

野生の文鳥は食べられる側の弱い立場にあるため、いつも周囲を警戒しています。

文鳥と飼い主との間にまだ信頼関係が築けていない場合、文鳥が人間を恐れ、ちょっとした動作に対しても威嚇するのは当然の反応です。

こうした場合は時間をかけてコミュニケーションをとっていきましょう。文鳥が安心できるようになるにつれて、怒る頻度も減っていきます。

ストレスフルな飼育環境

引っ越しで周囲の環境が変わったばかりであったり、ケージの設置場所が不適切であったりと、ストレスフルな飼育環境に置かれれば、文鳥も怒りっぽくなります。

食餌制限によるダイエットなどもストレスになりますから、同様に怒りっぽくなります。

文鳥が新居に慣れたり、ケージの設置場所が快適になったりして、ストレス要因(ストレッサー)が解消されれば、次第に穏やかになるでしょう。過度のストレスは免疫力の低下に繋がり、病気の原因になることも多いですから、すみやかに問題を解決することが重要です。

換羽期でイライラしている

文鳥は定期的に換羽(かんう)と呼ばれる羽の生え変わりの時期を迎えます。

この時期はホルモンバランスに変調を来しており、文鳥はぐったりとした様子を見せたり、イライラした様子を見せたりします。

換羽期の文鳥が怒りっぽくなるのは仕方のないことですから、無理にコミュニケーションを取ろうとせず、文鳥が穏やかに過ごせるように静かに見守るようにしましょう。

育雛中で気が立っている

他の動物と同じ様に、ヒナが産まれて親鳥となった文鳥も気が立っています。

育雛の負担は激しいものがあり、文鳥は疲れ切っているにも関わらず、ヒナを守り育てるために必死です。

育雛中の文鳥に関しても、換羽期と同様に付かず離れず、適度な距離を保って見守るようにしましょう。

怒りん坊な性格

これを言うと元も子もないのですが、特に怒りっぽい性格の子も確かに居ます。

怒りん坊も個性の1つと捉えて、どれくらいの距離感が文鳥にとっても飼い主にとっても快適なのか、時間をかけて関わり方を模索していきましょう。

文鳥を怒らせないようにするには?

最後に、文鳥を怒らせないために、飼い主ができることを確認しておきましょう

ストレスフルな環境を改善する

文鳥を怒らせないために、そしてそれ以上に健康を保つために、ストレスフルな環境を改善することは重要です。

ケージを低い位置に設置していたり、出入りの激しいドアの付近に設置していたりすると、文鳥は落ち着くことができず、ストレスを感じます。

まずは今の飼育環境に問題が無いか、改めて確認しましょう。

ケージの外からできるお世話を増やす

既に見てきた通り、ケージの中に侵入されるのは文鳥にとってとても深刻な問題です。

そこで、そもそもケージの外からできるお世話を増やすことが、文鳥にとっても飼い主にとってもメリットがあります。

外から餌を交換できるようにしたり、外付け式の水浴び器を設置したりと、頻度の高いお世話をケージ外からできるようにすることが効果的です。

文鳥式マナーを守る

親しき仲にも礼儀あり。文鳥と暮らすからには、飼い主が文鳥式のマナーを守ることが重要です。

急な動作はしない。文鳥に手を向ける前に指を下げて「お辞儀」する。ケージに手を突っ込む前に、家主の文鳥による「お迎えの歌」が終わるのを待つ。文鳥が止まり木をカジカジしたり、クチバシを擦り付けるような動作で愛情を表現したら、飼い主も止まり木の端をトントンして「お礼」を返す。などなど・・・。

文鳥式のマナーを守り、文鳥を尊重し、家族の一員として大事に扱っていることを伝えましょう。

質の高いコミュニケーション

放鳥中のよそ見が典型ですが、質の低いコミュニケーションは文鳥にとっても飼い主にとっても不幸のもとです。

放鳥中は文鳥にだけ集中することはもちろん、「おはよう」「おやすみ」「行ってきます」「ただいま」など、マメに声を掛けることも重要です。文鳥は人間と対等な関係を望んでおり、「自分は飼い主から尊重されている」と感じることで、安心して暮らすことができます。

文鳥に日本語は通じないかもしれませんが、言葉に乗せた感情は通じていることを忘れてはいけません。

歳を取って性格が落ち着くのを待つ

若い頃は怒りん坊だった文鳥も、歳を重ねていくうちに性格が穏やかになることはよくあります。

「すぐ噛んでくるからダメな子だ」「こんなに怒りっぽい子と一緒に暮らせない」などと、飼い主が諦めてはいけません。怒りん坊に見える子でも文鳥は文鳥です。飼い主を一途に愛し、ずっと一緒に暮らすことを願うあなたの家族なのです。ただ、その表現が少し下手なだけです。

じっくり時間をかけて、繰り返し愛情を伝えれば、文鳥は必ずそれを理解します。どうしても怒りっぽい子も、時間が経てば上手に愛情表現できるようになります。

せっかく家族になったのですから、長い目で付き合っていきましょう。

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