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文鳥とそ嚢炎

白鳥座りのぽん先生
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トップ画像:そ嚢が見えそうで見えないぽん先生(@comatsu_cotoLi

そ嚢炎は大人になった文鳥にはあまり見られませんが、人間による挿し餌で育つヒナには発生しやすい病気です。

そ嚢は食べた餌を貯めておく器官です。そ嚢が炎症を起こして餌を食べられなくなると、文鳥はあっという間に衰弱してしまうので注意が必要です。

そ嚢炎?

文鳥が食べた餌はそ嚢で貯められます。そ嚢内の餌は体温で温められつつ、飲んだ水と混ぜられてふやかされ、体内で扱いやすい状態になります。

そ嚢に炎症が起こると食欲不振や吐出を起こします。重度になると餌を全く食べなくなったり、そ嚢に穴が空いてしまうこともあります。

そ嚢炎は口内炎と同様の理由で生じますが、多くは口内炎に続く形で発症します。

したがって、カンジダやトリコモナスによって起きる感染性のそ嚢炎がある一方で、挿し餌が熱すぎることによるそ嚢のヤケドや挿し餌スポイトによるケガによって炎症を起こす非感染性のそ嚢炎もあります。

感染性のそ嚢炎について、トリコモナスはそ嚢よりも口腔内や食道を好む傾向があります。

カンジダは糖度の高い餌や加熱されたデンプンを多く含む餌を与えられているヒナに食滞が起きると餌の中で増殖し、そ嚢炎を起こします。

特に、炊いた米やパンはそ嚢内で発酵しやすいため、与えてはいけません。

また、そ嚢に隣接している甲状腺の肥大によって、二次的に食道が圧迫されることによってそ嚢炎が起こることもあります。

そ嚢炎の症状

食欲不振・廃絶、吐き気、吐出が主な症状です。膨羽状態で、力なくすくんだような状態になるでしょう。

異常な吐出や嘔吐によって、顔や胸の羽毛は汚れます。

炎症が重度になると、痛みから首を伸ばした姿勢になることがあります。

また、首の無羽域からそ嚢が赤く腫れている様子が観察できます。

炎症がそ嚢の働きを阻害すると食滞を起こします。そ嚢内に餌が異常に溜まり、炎症による腫れと相まって大きく膨張すると、気管を圧迫して呼吸困難になる場合もあります。

また、そ嚢のヤケドやケガが悪化すると、そ嚢に穴があいてしまい、餌や飲み水が漏れ出して羽毛を汚すようになります。

そ嚢炎の予防

湿った餌を与えるとカビが生えてそ嚢炎になるという言説がありますが、そもそもそ嚢は餌を湿らせる器官なので、これは迷信です。

ただし、湿った餌が腐りやすいのは事実です。文鳥が食べる前に餌に水が掛かると腐敗してしまい、これを食べることでそ嚢炎を起こすということは十分に考えられるため、餌の設置場所や状態には注意しましょう。

また、ビタミンAが欠乏すると、そ嚢粘膜が適切に防御機能を発揮できなくなってカンジダ等に感染しやすくなります。アワダマではビタミンAが不足するので、ヒナの挿し餌の栄養バランスには特に注意すべきです。

ヒナにそ嚢炎が多発するのは、挿し餌の方法や温度管理に原因があります。

文鳥はスポイトで挿し餌せざるを得ないため、スプーンでの挿し餌が一般的なインコ・オウム類に比べてリスクが高いと言えます。挿し餌の際はヒナの口腔内を傷つけないように、慎重を期しましょう。

また、挿し餌の温度管理は非常に重要です。適温は人の体温より少し高い程度で、40度程度を目安にすると良いでしょう。

熱すぎる挿し餌はヤケドを起こします。特に電子レンジで加熱された餌は高温になりやすいため、お湯で温めるようにしましょう。温める際には餌をよく混ぜて、温度が均一になるように注意することも忘れてはいけません。

冷たすぎる挿し餌は食滞を起こしやすく、餌が長期間そ嚢内に留まるために病原体が増殖して炎症を起こします。

そのほか、餌の水分量が少ないと食滞を起こしやすくなります。

さらに、挿し餌の量が多すぎる場合も問題を引き起こします。多量の餌で拡張しすぎたそ嚢は筋肉組織が弛緩してしまい、戻らなくなってしまいます。これをそ嚢アトニーと言いますが、そ嚢アトニーによっても餌がそ嚢内に長時間残ってしまい、炎症の原因になります。

文鳥のそ嚢の最大容量は1ml~2ml程度です。そ嚢がヒナの頭の大きさに膨らめば十分な量なので、与えすぎには気をつけてください。

最後に、ヒナの飼育環境の温度・湿度管理には細心の注意を払う必要があります。

寒冷状態に置かれたヒナには様々な悪影響がありますが、特にそ嚢炎との関連では、食滞が問題になります。

寒さやストレスによってヒナは食滞を起こし、そ嚢内に残った餌で増殖した病原体が炎症を起こします。常に30度程度を維持するようにしましょう。

また、低い湿度は食滞を誘発します。80%程度の湿度を維持するように注意してください。

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