公開 更新

文鳥とタバコの毒

こちらを見るゆり先生とかぼちゃパンツ団
役に立ったらシェア:

トップ画像:講義中のゆり先生と遊んでいるかぼちゃパンツ団の皆様(@sae_co)

文鳥にタバコは有害です。

新型タバコは健康への悪影響が少ないと宣伝されていますが、体が小さく、大気汚染に敏感な文鳥にとっては関係のない話です。

タバコの煙は突然死の原因になるため、文鳥をタバコに近づけないように注意してください。また、タバコの有毒物質が残留している危険があるため、喫煙者の来客や、禁煙前に使っていたカーペットなどにも警戒する必要があります。

タバコの煙にはニコチンやタール、一酸化炭素などの有害物質が含まれています。

タールは呼吸器や結膜、皮膚を刺激します。ニコチンは神経障害や呼吸器障害、循環器障害を起こし、突然死の原因となります。

鳥の呼吸器は非常に発達しており、大気汚染に対して強い感受性を持っています。さらに文鳥は飼い鳥の中でも小型の部類に属するため、少量の有毒物質でも病気になる可能性があります。

受動喫煙による煙が有害であることは言うまでもありませんが、残留物による健康被害にも注意が必要です。

タバコによる煙の成分が回りの衣服、部屋であれば壁、カーテン、カーペットに付着して残留することにより、直接的・間接的に被害をもたらします。

新型タバコについての見解

近年、「電子タバコ」や「加熱式タバコ」などの新型タバコが登場し、一般に普及しています。「健康への悪影響が少ない」「臭い煙が出ないので周囲に迷惑をかけない」といった点がアピールされています。

しかし、新型タバコの蒸気の内容物には、普通のタバコと同程度の有害物質が含まれていることが明らかにされています。例えばニコチン含有量は、普通のタバコ361μgに対して新型タバコ301μgです。また、ホルムアルデヒドは普通のタバコ4.3μgに対して新型タバコ3.2μgとなっています。

確かに加熱式タバコの方が有害物質が少なくなってはいますが、無視できるレベルに減っているわけではありません。また、喫煙者は、1本のタバコのニコチン量が多かろうと少なかろうと、一定の血中濃度に達するまでタバコを吸い続ける傾向があり、これを代償喫煙行動と言います。このため、新型タバコに変えることによって却って喫煙本数が増え、健康被害が悪化する可能性もあります。

また、煙の臭いが軽減されていることは、鳥の飼い主にとっては危険な特徴です。新型タバコの副流煙が部屋に流れ込んできたり、来客が喫煙者だったりしても、臭いで判断しにくくなっているためです。

以上より、新型タバコは従来のタバコと同等かそれ以上に警戒する必要があると言えます。

タバコの毒の症状

タバコの有毒物質が呼吸器を持続的に刺激することにより、咳やくしゃみを起こすほか、副鼻腔炎や結膜炎を生じます。肺炎の原因になることもあるでしょう。

また、呼吸器の粘膜を損傷し、粘膜の防御機構が破綻することによって二次感染を起こす場合があります。

ニコチン中毒の症状としては、興奮や嘔吐、下痢、発作(痙攣やてんかん)、急死などがあります。喫煙者の手に付着したニコチン残留物が皮膚に接触すると、皮膚炎を起こすこともあります。

そのほか、毛引きや過剰な毛づくろいとタバコの関連性も指摘されています。

タバコの毒の予防

鳥をタバコに近づけないことが重要です。

文鳥に限らず、鳥を飼育するのであれば、家族に喫煙者が居るのは望ましくありません。鳥は呼吸器が非常に敏感な生き物であることをよく考えて、禁煙しましょう。

来客者が喫煙者の場合、手洗いうがいを徹底してから鳥に触れてもらうようにしましょう。ただし、後述するように有害物質が服に付着しており、文鳥のような小型の鳥では残留した有害物質だけでも脅威である可能性があるため、できれば接触を避けた方が無難です。

タバコの煙が感じられなくなっても、有毒物質は服やカーテンに付着しています。また、タバコの煙の粒子は空気より重いため下の方に集まりやすくなっています。したがって、カーペットは特に危険です。禁煙に成功した場合でも、カーペットなどを洗浄し、家の中を徹底的に掃除してから、文鳥を迎えるようにしましょう。

役に立ったらシェア:

関連記事


0件のコメント

コメントを残す

Avatar placeholder

メールアドレスが公開されることはありません。