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文鳥と副鼻腔炎

きゅるるんぽん先生
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トップ画像:鼻と目の診察を受けるぽん先生(@comatsu_cotoLi

副鼻腔炎は文鳥でも人間でも起こり、「蓄膿症」の名でよく知られています。

副鼻腔炎は顔の膨張や目の突出を起こすこともあり、非常に痛ましい病気です。さらに慢性化しやすく、治療しにくいという特徴もあり、厄介です。

副鼻腔炎は鼻炎から続発しやすい病気ですから、飼い主による予防と早期発見が重要です。

まず副鼻腔(ふくびくう)とは何かについて確認しておきましょう。

鼻の穴のことを「鼻腔」といいますが、文鳥も人間も鼻腔に続く形で顔の骨の中に空洞があります。この空洞が「副鼻腔」です。

人間の副鼻腔は、左右それぞれの鼻の穴に4つずつついており、計8つあります。

一方の文鳥の副鼻腔は「眼窩下洞(がんかかどう)」と呼ばれる大きな空洞が複雑な迷路状に広がっており、目の下を通って後頭部にまで達しています。

大きな副鼻腔があるおかげで文鳥の頭部は軽くなっており、重心が身体の中央に寄って飛びやすくなっています。人間は頭が重いですから、仮に十分な翼と筋肉があっても飛行が安定しないでしょう。

なお、文鳥を含むスズメ目の眼窩下洞は「中隔」と呼ばれる壁で左右に隔てられており、空気の交通が別々になっています。オウム目の鳥は中隔が無く、左右の眼窩下洞はつながっています。

副鼻腔炎の原因

副鼻腔炎は、通常は鼻炎に続発する形で発症します。

鼻炎と同じ原因で、副鼻腔炎だけが単独で発症する場合もありますが稀です。

何らかの感染症にかかって抵抗力が弱ったところで副鼻腔に二次感染が生じて化膿するというのが、副鼻腔炎だけが単独で発症する主要なパターンになっています。

副鼻腔炎の症状

多くの副鼻腔炎は鼻炎に続発しますが、膿性の鼻汁(色がついた鼻水)が見られる場合は副鼻腔炎が疑われます。

副鼻腔の違和感から、首を振ったり、顔をケージや止まり木にこすりつける動作を取るようになります。副鼻腔は頭部に広がっているため、副鼻腔炎によって顔面が発赤している様子が観察できる場合があります。

また、化膿による口臭がきっかけで副鼻腔炎に気づくこともあるでしょう。

鼻炎を併発していない副鼻腔炎は、分かりやすい症状が観察できないことが多く、発見が難しいです。副鼻腔炎単独の場合はくしゃみが見られることは少なく、鼻汁も口の中に流れていってしまいます。

副鼻腔炎が進行し、膿の貯留や肉芽の膨隆が重度になると、顔が膨張します。目の裏側に膿が溜まると眼球が突出します。また、クチバシの根元の成長板を障害するようになるとクチバシの形成不全を起こすこともあります。

顔の膨張まで至るとひどく苦しみます。腫れ上がってしまった箇所を熱心にケージや止まり木にこすりつける様子が見られるでしょう。

呼吸困難を起こしてテールボビング(尾羽を上下に揺らして呼吸する様子)が見られるようになったり、餌を食べられなくなって衰弱していったりすることもあります。

また、鳥の副鼻腔が非常に複雑な迷路状になっているという構造上の特徴から、副鼻腔炎は慢性化しやすく治癒しづらいという点にも注意が必要です。

鳥の呼吸器は全生物の中で最も発達していると言われることがあります。それはつまり、飛翔を支えるために、それだけ高性能な呼吸器が必要だったということであり、その呼吸器の障害は鳥にとって大きなダメージになりますから、人間の蓄膿症と同じ感覚で考えない方が良いでしょう。

副鼻腔炎の予防

副鼻腔炎は鼻炎から続発するのが通常であるため、鼻炎を予防し、発症しても早期に発見・治療することが重要です。

衛生的な飼育環境を保ち、テフロンやホルムアルデヒドなどによって文鳥の鼻の粘膜を傷つけないように注意しましょう。乾燥にも要注意です。

また、ビタミンAの不足は粘膜の機能を弱めてしまい、副鼻腔炎を起こす感染原が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。シード食の文鳥は特に青菜やサプリメントを欠かさないように注意しましょう。

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