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文鳥の基本的なケージレイアウト

自慢の家を背景にポーズをとるパチクリ先生
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トップ画像:自慢の家を背景にポーズをとる若きパチクリ先生(@popporoporosuke)

文鳥のケージレイアウトに迷うのは全ての飼い主が通る道です。

ここでは最もシンプルで基本的なケージレイアウトについて、必要な設備とその注意点を確認していきましょう。

特に断りのない限り、健康な成鳥の1羽飼いを前提としています。先天性の疾患がある場合などにはこの限りではありませんので、ご注意下さい。

なお、ケージの設置場所については下記の講義をご覧ください。

ケージのレイアウトについて見ていく前に、ケージ自体についても簡単に触れておきましょう。

文鳥のケージにどのようなものを使うべきかという点については様々な意見がありますが、最も問題になるのは「どれくらい大きいケージを用意すればいいのか」という点でしょう。

推奨されるケージの大きさには諸説あります。成鳥1~2羽の飼育なら340mm×240mm以上の床面積があれば良いとする文献もあれば、最低350mm×400mmは必要とする文献もあり、さらに、どんなに小さな鳥でもケージの奥行きが500mmを下回ると不適切であるとする文献もあります。高さについても事情は同様ですが、最も小さなケージを許容している文献でも最低350mm以上は必要であるとしています。

文鳥の生態だけを考えれば、できるだけ大きなものが望ましいであろうと思われます。しかし、大きければ大きいほど掃除が大変になって不衛生ですし、設置場所が限られてしまうため、かえって文鳥にとって快適な環境から遠ざかってしまうかもしれません。掃除の手間や家の間取りを考慮に入れて、状況に合わせて判断する必要があります。

また、ケージの材質についても種類があります。一般的なのは金網のケージですが、プラスチックのものあれば、古式ゆかしい竹カゴもあったりします。

ケージ自体についての詳しい考察は別の講義で行うこととして、ここでは「これから初めて文鳥を飼おう」という方向けに、「無難なケージ」を紹介するに留めましょう。

多くの飼育者が使っていて実績があり、同じケージを使っている人を見つけてアドバイスを受けやすいという点で、HOEI製の下記のケージは初心者でも扱いやすいと言えるでしょう。

上記のケージは、290mm×365mm×高さ390mmとなっており、 最も小さなケージを許容している文献が指定する最小サイズぎりぎりになっています。

HOEIはケージと共にぴったりサイズの「おやすみカバー」を販売しており、これも初心者がHOEI製のケージを扱いやすい理由の一つです。

もしもう一回り大きなものを許容できるのであれば、下記のケージを使用すると良いでしょう。

フン切り網の設置

ケージには専用のフン切り網が付属しているはずです。

ケージの床には新聞紙などの床材を敷いてフンを簡単に捨てられるようにしますが、直接床材に触れることのできる状態だと巣を作って発情してしまう場合があります。特に発情による体への負担が大きいメスの文鳥を飼育する際には、フン切り網を設置して床材に触れられないようにすると良いでしょう。

ただし、まだ足元のおぼつかない幼鳥や、文鳥が足をケガしている場合には、足を引っ掛けかねないフン切り網は外したほうが良いとされています。

止まり木の設置

止まり木を適切に設置することは、文鳥の運動量の確保と足の健康の前提となる大事なポイントです。

参考:文鳥の足

ケージの上下に1本ずつ、計2本を段違いに設置するのが基本です。この際、上段の止まり木に羽を伸ばせるスペースを確保することと、下段および奥の止まり木とケージの網との間に尾羽がつかえない程度のスペースを確保するように注意しましょう。

また、運動量を増やそうとするあまり、背の高いケージを使って止まり木の高さに差をつけ過ぎるのは、かえって文鳥の運動を阻害することになります。2本の止まり木の位置関係は、文鳥が相互に移動しやすいことが重要です。

最適な止まり木の太さは、文鳥が掴まった時に円周の3分の1が余るくらいであると言われています。文鳥の身体の大きさによって変わるのですが、具体的には直径12mmぐらいのものを用意しておくと良いでしょう。

また、文鳥は止まり木に瞼をこすり付けるため、爪の長さを短く保つ目的でヤスリつきの止まり木を使うのは避けた方が無難です。止まり木の太さや位置を調節して自然に削れるようにするか、伸びた時に爪切りを行いましょう。

エサ入れの設置

文鳥の主食となるシードやペレット、副食のボレー粉を入れるためにエサ入れをケージ内に設置します。

エサを衛生的に保つために、エサ入れには1日で食べ切れる量を入れることが望ましいとされています。特に混合シードを主食とする場合、文鳥はカナリーシードなどの好物を選んで食べていく場合がありますから、偏りなく食べてもらうためにも一日分だけを入れることは重要です。

一日分のエサの量についても、個体差や年齢差、運動量、季節に応じて変化します。7gくらいが目安であると言われていますが、1歳未満だと2倍の14gを食べます。また、夏は食べる量が減り、冬は増えます。また、文鳥はエサをバラ撒きながら食べますから、豪快にバラ撒くのが好きな子の場合には、少し多めに入れる必要があるでしょう。

いずれにしても、大容量のエサ入れはケージ内のスペースを無駄に消費するだけですので、下記のような小さめの物を複数個持っておくと良いでしょう。

エサが飛び散ると困るという方はプラスチック製のケージを使うか、カバー付きのエサ入れを使用しましょう(※下記は大きめのケージでないと設置不可のため注意)。

ただし、カバー付きのエサ入れは構造が複雑になりますから、きちんと分解してしっかり洗浄することを怠らないように注意が必要です。

エサ入れは水浴び器から離れた場所に設置し、エサが湿気を帯びないように注意しましょう。濡れたエサは腐敗しやすく、そ嚢炎や感染症の原因となります。

また、ブランコや止まり木の真下のようなフンが落ちやすい場所も、エサ入れを設置すべきではありません。

菜差しの設置

小松菜などの青菜を与える際に、水を張った菜差しに入れるとみずみずしさが持続して、文鳥も美味しそうに食べます。

菜差しは下記のような簡素なもので構いません。

青菜を引き抜いてしまう子も多いため、菜差しは上段の止まり木の近くに設置し、引き抜きにくくしましょう。

それでも引き抜いてしまう子には、下記のような引き抜き防止の工夫がされた菜差しもあります。

飲み水入れの設置

後述する水浴び器とは別に、下記のような飲み水入れを設置します。

飲み水入れは止まり木の近く、文鳥が飲みやすい場所に設置します。直射日光が当たらないように注意しましょう。

飲み水入れは複数個用意して、交換しながら使うと衛生的です。使っていないものは洗浄したあとしっかり乾燥させましょう。

水浴び器の設置

文鳥は水浴びが大好きです。夏場には日に何度も水浴びすることもありますから、水浴び器を設置して好きな時に水浴びできるようにしておきます。

ケージ内のスペースを圧迫せず、水の飛散からエサや設備を守れるという点で、下記のような外付け式の水浴び器が扱いやすいでしょう。

ケージの床に置くタイプの水浴び器もあります。ひっくり返らないように、陶器製で重量があるものが望ましいとされています。

ただし、床に置く場合は水浴び器内にフンが入らないようにケージに広い床面積が必要になります。

どのタイプの水浴び器を使うにしても、毎日洗ってしっかり乾かすことが重要です。外付け式の水浴び器は面倒でも分解して内側を洗い、乾かすことを怠らないようにしましょう。

保温器具の設置

保温器具の設置に際してはサーモスタットを必ず併用しましょう。サーモスタットはセンサーで温度を測定し、指定した温度を超えると接続されたヒーターをオフにし、また温度が下がってくるとヒーターをオンにする装置です。

文鳥の保温によく使われる下記のようなペットヒーターは、電源を入れている間つねに熱を発し続けるシンプルなものです。

ヒーターによって思わぬ高温に熱せられることもあります。

普段の使用ではもちろんのこと、病鳥の保温やお出かけ先でヒーターを使用する際にも、サーモスタットとヒーターは必ずセットで使用します。

ヒーターの設置位置については、ケージ内に設置する人もいれば外に設置する人もいます。

ケージ外に設置するとヤケドを予防しつつ、ケージ内のスペースを残しておくことができます。ただし、ケージにおやすみカバーをかぶせる際にヒーターが邪魔になるでしょう。

ケージ内にヒーターを設置する場合、ケージの下段の奥の方に設置すると良いでしょう。文鳥は高いところをお気に入りの場所にしますから、下の方の目立たない場所に設置すればヒーターの上に進んで乗ろうとはしない子が多いでしょう。また、仮に発熱中のヒーターの上に乗ったとしても、熱さを感じて驚いて逃げるため、問題になるレベルのヤケドを負う可能性は低いです。これもフン切り網と同じく、幼鳥や足の悪い文鳥の場合にはこの限りではないため、ヒーターはケージの外に設置した方が安心でしょう。

ヤケドの観点からは、パネル式ヒーターの方が注意が必要です。

上記のようなパネル式ヒーターは高温まで発熱することがなく、鳥は直接くっついて暖をとろうとします。その状態で眠ったりすると長時間ヒーターに接触することになり、低温ヤケドを起こす可能性があります。

パネル式ヒーターを使用する場合はケージの上に乗せたり、ケージの横に取り付けたりと、ケージ外に設置して文鳥が直接触れられないようにした方が無難です。

また、どちらのタイプのヒーターを利用する場合でも、ヒーターをエサ入れや飲み水入れ、菜差し等の他の設備からできるだけ離れた位置に設置するように注意しましょう。

温度計・湿度計

文鳥は健康な状態であればそこまで厳密な温度管理・湿度管理が要求される鳥ではありません。

それでもなお、温度管理・湿度管理は飼育の基本中の基本です。どの程度の気温・湿度のコンディションで暑い・寒いと感じるのかを、健康な時に具体的な数字で確認しておくことは、いざ病気になった時の看護に大変役に立ちます。

また、どのような気温・湿度の飼育環境下で病気になったのかは、獣医が病気の診断を行う際の非常に重要な情報源になります。日頃から温度・湿度を意識していれば、病院で飼い主側から情報提供を行うことができ、より正確な診断に貢献できます。

使用する温度計・湿度計については、「特にこれが使われている」というものはありません。一般的なものを購入して、ケージの側に置いておいたり、ケージの横に吊るしておくと良いでしょう。

より正確な温度・湿度を知りたいという方は、下記のようなセンサーとモニターが分かれたタイプを使用すると良いでしょう。

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