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文鳥と熱傷(ヤケド)

何かを訴えかけるぽん先生
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トップ画像:明かりは熱いのか気にするぽん先生(@comatsu_cotoLi

常に気をつけなければいけない文鳥の事故に、ヤケドの危険があります。

最もヤケドしやすい部位は脚で、重度のヤケドだと壊死して脱落してしまう場合もあります。

飼い主や家族みんなで注意することによって危険を最小限にして、悲しい事故を起こさないようにしましょう。

キッチンで調理中のフタに止まる、炊飯器の湯気の上を飛ぶ、食卓のスープの中に飛び込む、ストーブのような暖房器具に接触するなど、様々な原因でヤケドを起こします。

文鳥はインコ・オウム類ほど咬む力が強くないため、電源コードのカバーを削って感電し、電気的なヤケドを負うことは少ないでしょう。

このほか、プレート型ヒーターや使い捨てカイロなどの接触型保温器具によって低温ヤケドをしてしまう場合があります。

ヤケドの症状

ヤケドの深度や面積、ヤケドを負った場所などにより、症状は様々です。

ヤケドを負った直後は「ギャッ」という声をあげて、驚いてあらぬ方向へ飛んでいってしまうことがあります。これが骨折などの他のケガにつながることがあります。

ヤケドの深度とは、ヤケドの損傷が皮膚のどの層に到達しているかを現すもので、鳥も人間と同様に、Ⅰ度熱傷・Ⅱ度熱傷・Ⅲ度熱傷の大きく3つに分けられます。Ⅰ度熱傷は皮膚の表面だけを損傷した軽いヤケド、Ⅱ度熱傷は表皮の下にある真皮の層にまで損傷が達したヤケド、Ⅲ度熱傷は真皮のさらに下にある皮下組織をも損傷した重いヤケドです。

鳥が最もヤケドを負いやすい部位は、羽毛で保護されていない脚です。羽毛がある場所は皮膚が直接高温にさらされる可能性が低いため、熱湯が羽毛に染み込むなど余程の事がない限りヤケドを負いにくくなっています。ヒナの場合は、挿し餌の温度が高すぎることによってクチバシや舌、そ嚢をヤケドすることもあります。

脚にヤケドを負った場合、軽度であれば患部が発赤して痛そうな様子を見せるものの、正しく対処していれば2~3日で治ります。

中程度のヤケドの場合、水ぶくれや浮腫が生じ、患部がジュクジュクしている様子が見られるでしょう。

重度のヤケドを負った場合は患部に壊死が生じ、治癒せずに脱落することもあります。

なお、ヤケドを負った直後は見た目に何の変化も無い場合があり、時間が経ってから腫れてきたりすることがあるため注意が必要です。

また、ヤケドを負った場所が赤くならず、白っぽくなる場合もあります。人間では中程度から重度のヤケドを負った場合には白くなることがありますが、鳥の場合も同様の理由で白っぽくなることがあるのかは判然としません。文献を見つけられ次第、情報を追加します。

低温ヤケドは、保温器具に比較的長時間、直接触れていることによって生じます。皮膚は表面に行くほど血流が活発で、熱をもった血がどんどん流れていきますが、深い部分はそうではないため、熱がたまりやすくなっています。このため、低温ヤケドでは皮膚の深い部分に損傷が起きやすいのです。体温を外部からの熱源に依存しがちな幼鳥や病鳥で、低温ヤケドの危険性が高まります。

ヤケドの対処

文鳥がヤケドを負った場合、早急に患部を水で冷やしましょう。患部の温度を下げて、損傷を最小限に留めます。水にさらす時間は文献により差がありますが、5分から、長くても10分程度さらせば十分でしょう。

冷やす際には、患部をピンポイントで水にさらすことが重要です。体全体を濡らすと体温を奪ってしまいます。

また、水の温度について、氷水のような極度に低い温度の水を使うべきではないとする文献があります。普通の水道水のような、いわゆる冷たい水であれば良いようです。患部を水にさらすのは皮膚の熱を下げるためですから、わざわざ氷水を使って鳥の体温を奪う必要はないというのは合理的です。

水にさらすのが難しい場合は、ガーゼを濡らして患部に当てると良いでしょう。

古い文献では、「冷やしたあとに軟膏を薄く塗るとよい」との記述がありますが、比較的新しい文献では「軟膏を塗ると鳥が違和感から患部を気にして咬んだりつついたりしてしまい症状を悪化させる」とされています。

軽度のヤケドの場合、上記の処置をすれば2~3日で完治する場合が多いでしょう。しかし、重いヤケドの場合は水ぶくれなどを起こします。

軽いヤケドに見えても、実は皮膚の深部まで損傷していたという場合もあるため、可能な限り早く病院を受診した方が良いでしょう。

仮に本当に軽いヤケドであったとしても、抗生剤や消炎剤の内服薬を処方してもらえますから、二次感染の可能性を低くすることができます。

ヤケドの予防

料理中や熱い料理が食卓に出ている時は放鳥しないようにしましょう。文鳥は好奇心旺盛ですから、「まさか」というような所へ突入していくのはよくあることです。

放鳥の前に「料理中ではないか」「熱いお茶やコーヒーは出ていないか」「ハロゲンヒーターやストーブが稼働中ではないか」など、よく確認してください。

また、キッチンのコンロは調理後も熱を持っており、大変危険です。そもそも文鳥がキッチンに行けないような場所にケージを設置するのが望ましいです。

ケージ内では、保温器具による低温ヤケドを予防することが重要です。

接触式のパネルヒーターは40度前後のほんのり暖かい温度になり、文鳥も気持ちよさそうにしていることが多いでしょう。しかし、これこそ低温ヤケドを起こす典型的な状況であると言えます。人間が湯たんぽで低温ヤケドを起こすのと全く同じ状況になっていることに気がつくでしょう。

したがって、パネルヒーターを利用する場合はヒーターに直接触れられないように工夫するか、同じパネルヒーターでも外付け式のものを使った方が安心です。

ケージ全体の温度を保つ目的では、いわゆるペットヒーターがよく用いられます。下記のような製品です。

このタイプは比較的高温になるため、文鳥が作動中のヒーターの上部に長時間座り込むというのは現実的な想定ではありません。むしろ、高温による通常のヤケドの方が起こり得ます。

ケージ内の保温という観点からはヒーターはケージ下部に設置するのが望ましいですが、ヤケドを心配するのであればケージの天井近くに設置して、ヒーターの上に乗れないようにすると安心です。

とはいえ、運動能力が十分に発達した成鳥の文鳥であれば、熱いヒーターを避けるように行動します。ケージの奥の下の方に設置されたヒーターなどには見向きもせずに、ブランコや上の止まり木などのお気に入りの場所でのんびりしていることがほとんどでしょう。

ヒーターは毎年使うものですから、文鳥自身に「ヒーターに触れると熱くて嫌な思いをする」と覚えてもらったほうが、却って安心であるとも考えられます。

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