公開 更新

文鳥と脂肪肝(肝リピドーシス)

見返りぽん先生
役に立ったらシェア:

トップ画像:スリムかつもちもち体型なぽん先生(@comatsu_cotoLi

肥満になる生活をしている文鳥は脂肪肝の危険が高まります。

肝臓に脂肪が蓄積して肝機能を障害する病気で、急性症状の場合は突然死を起こします。

ヒナでは挿し餌のあげすぎが脂肪肝の原因になります。

比較的よくある病気ですから、よく確認しておきましょう。

脂肪肝とは?

脂肪肝、あるいは肝リピドーシスと呼ばれる病気は、肝細胞における中性脂肪の蓄積が、放出や分解を上回ることで生じます。

カナリーシードを代表とする高脂肪のエサを常食することや、狭いケージで飼育されることによる運動不足が主な原因となります。

高脂肪のエサでなくとも、エサの過食は脂肪肝を起こす可能性があります。不規則な生活や睡眠不足、騒音によるストレスなどが過食を誘発します。挿し餌のヒナに高脂肪のエサを与えたり、多すぎる量を継続的に与えたりすると、脂肪肝になることがあります。

また、栄養バランスの偏り、特にアミノ酸の不均衡(コリンやメチオニンの欠乏など)が脂肪肝の原因になることが知られています。

一方で、飢餓状態も脂肪肝の原因となります。

飢餓状態ではエネルギー不足のために肝臓で体内の脂質組織を分解する必要があります。この脂肪組織の分解が急激に起こると、高脂肪のエサを食べた時と同様に、大量の脂肪を一気に肝臓で処理することになり、脂肪肝を起こします。十分なエサを与えられていない場合以外にも、何らかの病気で食欲不振や絶食になったり、消化吸収ができなくなったりすると、同じ現象が起こる危険があります。

メスの文鳥の場合、産卵期の過食が脂肪肝の原因になり得るほか、卵黄を生成するために体内の脂肪を肝臓で分解するため、これも脂肪肝を起こす危険があります。

甲状腺腫など、代謝に関わる病気を患っている場合や、感染性の病気で肝機能が低下している場合にも脂肪肝が生じることがあります。

脂肪肝の症状

脂肪肝によって肝機能が障害されると、活動量と食欲の低下が起こります。元気のない様子で羽を膨らませている様子も見られるでしょう。

肝肥大と脂肪の蓄積による気嚢スペースの圧迫が起こると、呼吸困難になります。肝臓が腫れているために貧血状態になり、アイリングやクチバシ、脚などが白く見えることがあります。文鳥は皮膚が薄いため、羽毛をよけてお腹の無羽域を観察すると、お腹の上部にレバー色の肝臓が見えます。健康な時は3mm程度ですが、脂肪肝を起こすともっと大きく見えるでしょう。

また、脂肪肝によって肝機能が障害されることにより、羽毛の発育障害や爪・クチバシの過長が見られます。血液凝固因子の形成不全が生じ、出血が止まりにくくなる点にも注意が必要です。

脂肪肝によってフンに異常が見られるようになります。肝細胞の障害によって胆汁色素であるビルベリジンが血中に放出され、健康な時は白い尿が緑色~黄色に変色を起こします。下痢を起こすこともあります。

上記のほかに、急性症状を起こして突然死する場合があります。換羽や寒冷、環境変化、産卵などの小さなきっかけで食欲不振が生じ、エネルギー不足のために体内の脂肪を肝臓で分解しようとして脂肪肝が悪化します。脂肪肝の悪化はさらなる食欲不振を招くため、悪循環が生じて急激に容態が悪化します。

この場合、高アンモニア血症によって突然死が起こります。突然死しなかった場合には、膨羽や黄色尿酸、嘔吐、食欲不振などの症状を呈します。

脂肪肝の予防

脂肪肝の予防には、栄養バランスの良い食餌と運動が大切です。

文鳥はカナリーシードが大好きで、かなり熱心に食いつきます。栄養豊富な反面、脂肪分が多いため量に注意が必要です。特に、数日分のシードをまとめてケージ内に入れるようなことをすると、カナリーシードだけを食べて他のシードを食べないことがあります。きちんと1日で食べ切れる量のシードを与えましょう。

また、脂肪過多だけでなく、アミノ酸の不均衡も脂肪肝の原因になります。混合シードを与えている場合は、バランス良くすべての種類のシードを食べているか確認すると共に、青菜を欠かさないように注意してください。栄養管理が難しいと感じる場合は、ペレット食に切り替えることも検討しましょう。

ヒナに過剰に挿し餌を与えることは、脂肪肝や食滞、そ嚢炎などの病気の原因になります。そ嚢がヒナの頭の大きさくらいまで膨らめば十分な量ですから、与えすぎに注意してください。

手乗り文鳥は飼い主が大好きで、放鳥しても運動せずに人間の肩に乗りっぱなしという状況も多々あります。したがって、十分な大きさのケージを使用し、運動量が自然と増加するように配慮することが重要です。

文鳥のケージの適切な大きさには諸説あります。1~2羽の飼育なら、340mm×240mm以上の面積があれば良いとする文献もあれば、最低350mm×400mmは必要とする文献もあり、さらに、どんなに小さな鳥でもケージの奥行きが500mmを下回ると不適切であるとする文献もあります。なお、床面積の狭さを高さで補うことはできないという点では意見の一致があるようです。

結論は出ていないため、初めてケージを購入する場合は上記の諸説を目安にできるだけ大きめのものを用意できると良いでしょう。また、おもちゃや飼育グッズをケージ内にたくさん設置すると移動の妨げになり、大きいケージでも運動不足を起こすので注意しましょう。

ケージはそれ自体の大きさだけでなく、設置場所も重要です。不適切な場所に置くと文鳥に高いストレスを与えてしまい、過食から脂肪肝を招きます。下記の講義を参考に、適切な設置場所を見つけてください。

メスの文鳥の場合、産卵期には脂肪肝だけでなく、様々な病気の危険にさらされています。特に注意して見守ってあげましょう。

予防とは異なりますが、たまにお腹の羽毛をよけて肝臓の大きさを確認すると、脂肪肝を始めとする肝臓障害の早期発見につながるでしょう。

役に立ったらシェア:

関連記事


0件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です