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文鳥と事故-ケガ系

ケガが怖くて細長くなるぽん先生
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トップ画像:ケガが怖くて細長くなるぽん先生(@comatsu_cotoLi)

事故によって愛鳥が傷つき、あるいは命を落としてしまうことは、悔やんでもくやみきれない辛い経験になってしまいます。

具体的な事故の危険を知り、イメージを持っておくことで、「はっ」と気がつくことのできる飼い主になることができます。

本講義ではケガ系の事故を取り上げます。他の系統のケガについては別の講義で取り上げています。

なお、ケガ自体については下記の講義をご覧ください。

装飾のついたケージやハンドメイドのブランコなど、ケージや飼育設備に引っかかってケガをすることがあります。

多くの飼い主が利用している実績のあるケージや飼育設備は、ケガを防止するために細やかな配慮がなされているものです。あまり実績のない飼育グッズを利用する際は、飼い主自身が安全性をよく見極めなければなりません。

基本的には、余計な装飾や複雑な可動部・接合部のないシンプルなグッズの方がケガのリスクは低いと言えます。しかし、見かけはシンプルでも針金の先端が鋭利になっていたり、足が引っかかりそうな小さな穴が空いていたりすれば、それが事故の原因になるかもしれません。

初めて文鳥を飼う飼い主は、ペットショップの店員に薦められるままに飼育グッズを買ってしまいがちです。しかし、ペットショップの店員が文鳥を飼育した経験があるとは限りませんし、愛鳥の安全に全責任を負うのは飼い主以外にあり得ないことを忘れてはいけません。

ペットショップで購入したケージ保温用の「使い捨てカイロケース」を設置していたところ、ケースに空いていた小さな穴に文鳥の指が引っかかってしまった事例を教えてくださった飼い主さんが居ます。その子は爪を失ってしまい、傷が深かったために再び爪が生えてくることは無かったそうです。

ペットショップで販売している製品でも、安全とは限らないのです。飼い主がきちんと自分の目で安全性を確認しなければなりません。もし自信がなければ、鳥を専門に扱うペットショップやブリーダーから文鳥を迎え、飼育グッズのアドバイスを受けると良いでしょう。

窓・鏡への激突

窓ガラスや鏡などは「通り抜けられる」と文鳥が勘違いして激突する危険があります。

放鳥時にはカーテンを閉め、鏡にはカバーをかけるなどして、はっきりと障害物であることが分かるようにしておきましょう。

激突によるケガ一般に言えることですが、特に高速飛行中の激突は致命傷になりかねません。いつもスピードを上げて颯爽と飛んでいく、愛鳥お気に入りの「空の道」の周辺には特に注意が必要です。鏡はもちろん、家具や荷物なども置かないほうが良いでしょう。

ドアに挟まる・激突する

勢い次第では即死の可能性も高く、ドア周辺は鳥の飼い主にとって非常に気を遣う場所になります。

「突然開いたドアに激突する」「部屋から出ようとする飼い主を追いかけて閉じていくドアに挟まる」などの事態が考えられます。動いているドアの勢いに飛んでいる鳥の勢いも重なるため、衝撃が大きくなります。

放鳥する際は家族全員に声をかけ、ドアはゆっくり慎重に動かすように注意しましょう。特に鳥の居る部屋に外から入る場合には、中で鳥を見守っている人にひと声掛けることを怠ってはいけません。

また、文鳥はパートナーと認めた飼い主のそばを放鳥時も離れようとしない場合がよくあります。飼い主が部屋を移動しようとすれば後ろから追いかけていきます。飼い主が後ろ手にドアを閉めるようなことをしていれば、いずれ挟まれてケガをします。部屋から出る際には特に文鳥から目を離さないようにしましょう。

引き出しに挟まる

「肩に乗っているから大丈夫」と思って引き出しを開け、閉じる瞬間に思いがけず文鳥が飛んできて挟まってしまう事故です。

文鳥は飼い主の手元をいつも見ています。飼い主が触れているもの、集中しているものに、文鳥は興味津々です。興味を持って眺めていたものが視界から消えそうになれば、追いかけてしまう子もいるでしょう。

引き出しも、ドアと同様にゆっくりと慎重に扱うように習慣づけると事故の予防につながります。特に放鳥中は、滑りの良い引き出しを思いっきり閉めるような乱暴なことをしてはいけません。

飼い主に潰される

よく慣れた子ほど危険という点で、特に悲劇的なのが飼い主に潰されてしまう事故です。

繰り返しますが、よく慣れた文鳥は放鳥時にも飼い主のそばを離れようとしない場合がよくあります。特に歳を取ってくると、飼い主にベッタリという子も多くなってきます。

そこまでではなくても、文鳥はモノのすき間を探検するのが大好きな鳥です。飼い主の服の袖やフードの中、放置してある洗濯物の山の中、布団と毛布の間、山積みの紙の束のすき間など、文鳥が入り込まずにはいられないすき間が家庭にはあふれています。

飼い主が目を離した僅かな瞬間に思いもかけないすき間に入り込み、そのまま飼い主に潰されて死んでしまいます。放鳥中は、決して目を離してはいけません。

また、手乗り文鳥は飼い主の手の中でリラックスして眠ってしまうこともしばしばです。リラックスした文鳥は暖かく感じられ、握っている飼い主もつい眠くなってしまうと思いますが、飼い主は決して放鳥中に眠ってはいけません。寝返りに潰されてしまいます。

自分が眠いと感じたら安全のために文鳥をケージに戻すのも、飼い主としての務めです。

家具のすき間に落ちる

「鳥が落ちる」という発想が頭に登らないために、意外と盲点になるのが家具のすき間などに落下してケガをする事故です。

いくら鳥でも、翼を動かすための十分なスペースがなければ落下します。鳥の骨格は飛翔のために芸術的なまでに軽量化されており、落下による骨折のリスクはとても高いと言えます。

タンスの裏や、開いたドアと壁の間、引っ越し直後で積み上がったダンボール箱のすき間など、背の高い家具と狭いすき間が隣接している箇所は要注意です。

特にタンスの裏は救出も難しいため、文鳥が落ちないように最初から十分に壁に寄せておくようにしましょう。

繊維に引っかかる

爪が伸びていたり、形成異常が生じていたりすると、繊維に引っかかってケガをする危険性が高まります。引っかかって暴れることで足を痛めたり、爪が外れたり、骨折したりします。最悪の場合、足がもげることもあります。

家庭には様々な繊維があふれています。カーペット、カーテン、部屋干しの洗濯物、引っ掛けてあるタオル、飼い主が着ているセーターなど、注意すべき場所は様々です。

ケガの防止の観点からは、爪の状態をしっかり観察する習慣をつけることが重要です。爪の手入れが行き届いていれば、カーペットやセーターなどの特に引っかかりやすい繊維を除き、そこまで神経質になる必要もないでしょう。

もし繊維に引っかかって暴れている文鳥を発見したら、無理に引き剥がそうとしてはいけません。引っかかったことでパニック状態になっていますから、無理に掴もうとすることは危険ですし、引き剥がそうとした際に足がもげてしまう危険もあります。

冷静に、絡まっている場所を見つけて、ハサミで大きめに周囲を切って文鳥を開放するのが第一です。動けるようになって文鳥が落ち着いたら、時間をかけて絡まった繊維を取り除くか、病院で処置してもらいましょう。

扇風機・換気扇に巻き込まれる

扇風機やシーリングファン(天井に付ける扇風機)、換気扇など、回転する設備に巻き込まれてケガをすることがあります。

文鳥のような小型の鳥は扇風機などが生み出す空気の流れに捉えられ、付近を飛んだ際に吸い込まれてしまう危険があります。

カバーを付けられるものには付け、そうでないものは放鳥時に電源を落とすことを忘れないようにしましょう。

掃除機に巻き込まれる

掃除機のヘッダーに轢かれたり、ヘッダーを外して掃除中に吸い込まれてしまったりする危険があります。

そもそも放鳥中に掃除するべきではありません。放鳥時には鳥に集中すべきですし、掃除によって舞い上がったホコリを吸い込んで呼吸器を障害するリスクもあります。鳥の呼吸器は非常に敏感であることを忘れてはいけません。

他の動物に襲撃される

文鳥と一緒に猫や犬を飼っている家庭で注意が必要なことはもちろん、日光浴でベランダにケージを出した際に、野良猫やカラス、蛇などに襲撃される可能性も考える必要があります。

様々な種類のペットを飼育している家庭では、一緒に飼育する際に発生するリスクを承知の上で文鳥を迎えているでしょうから、そもそも家族全体の関心が高いことが期待できます。

むしろ、文鳥だけを飼育している家庭こそ、他の動物による襲撃の危険を特に意識しなければならないでしょう。

日光浴と言ってもベランダに出して直射日光を当てる必要はありません。網戸越しに日が当たれば十分以上ですから、文鳥の居るケージを屋外に出さないように徹底しましょう。

事例募集のお願い

文鳥大学では鳥の事故の事例を募集しています。

実際に事故に至ってしまった場合はもちろん、ヒヤリとした経験だけでも構いません。

事故の発生は飼い主にとって非常に苦しい経験であり、自責の念に耐えず、人に言うのははばかられるでしょう。

しかし、そういった経験の情報こそが鳥の命を守るために必要であり、飼い主全体に広く共有されるべきなのです。

もし「こんな事故があった」「こんな事故が起きそうになった」という事例を共有して頂ける方は、この講義へのコメントやお問い合わせフォームFacebookTwitterでご連絡いただけますと幸いです。

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