文鳥とビタミンD過剰症
トップ画像:日光浴したくてウズウズするぽん先生(@comatsu_cotoLi)
ビタミンDは骨格形成に重要な役割を持っているビタミンで、不足も過剰も病気を招きます。
文鳥でも人間でも、ビタミンDの過剰はビタミン剤やサプリメントの過剰摂取によって起こる場合がほとんどです。
ビタミンD欠乏症とあわせて、過剰症についても学びましょう。
参考:文鳥とビタミンD欠乏症
ビタミンDは、油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつです。
ビタミンDは体内におけるカルシウムとリンの吸収および排出をコントロールして、健康な骨格形成を行うための働きをしています。
また、血液中のカルシウムやリンの濃度の調整や、骨格への沈着についてもビタミンDが作用しています。
ビタミンDにも色々と種類がありますが、鳥類はビタミンD3を利用します。
ビタミンD3は、コレステロールが身体の表面で中波紫外線(UV-B)の照射を受けることで作られます。
十分な日光浴によってビタミンDを合成している文鳥は、ビタミンD過剰症にはなりません。体内のビタミンDが十分な量になると、合成を制限することができるからです。
一方、日光浴の時間が十分に取れない文鳥にはペレットやビタミン剤などを使って、食餌によってビタミンDが与えられます。
ビタミンD過剰症は、ビタミン剤の用量を守らなかったり、ペレットとビタミン剤を併用したりすることによって生じます。
ビタミンD過剰症の症状
ビタミンDが過剰になると血中のカルシウム濃度が高くなります。
高カルシウム血症から心不全、痙攣、ショックを起こしたり、動脈にカルシウムが沈着することによる動脈硬化を起こしたりします。
また、内蔵、特に腎臓にカルシウムの沈着が起こり、腎臓の機能が障害されます。この場合、多尿、食欲不振、下痢、跛行などの症状が見られます。
さらに、ビタミンD過剰症による腎臓へのダメージをきっかけに腎臓痛風を起こす場合があり、突然死の原因になる可能性があります。
成長期の文鳥でビタミンD過剰症が生じると骨格の形成異常を引き起こします。
ビタミンD過剰症の予防
文鳥でも人間でも、日光浴でビタミンDを合成している場合にはビタミンD過剰症は起きません。生体は、体内のビタミンDが十分な量である場合は合成を制限することができるためです。
したがって、ペレットやビタミン剤、サプリメントの過剰摂取を避けることが、ビタミンD過剰症を予防するために最も重要なことです。
ビタミン剤やサプリメントの用法・用量を守りましょう。
ペレットには必要なビタミンが含有されている場合が多いので、ペレット食の文鳥は原則的にビタミン剤を併用する必要はありません。
どうしても併用せざるを得ない場合は、慎重に行いましょう。ビタミンDは少量で十分な栄養であり、さらに許容量の範囲が狭いということを忘れてはいけません。
また、成長期や産卵期はビタミンDの必要量が増えますが、この時期だけは窓ガラスを開けた日光浴を生活に取り入れるというのも、ビタミンDの欠乏・過剰をともに予防するために有効です。
ビタミンD欠乏症の講義もぜひ確認していただき、無理なく確実に実践可能なビタミンDの調整方法を確立してください。
参考:文鳥とビタミンD欠乏症
参考文献
書籍
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