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文鳥と鼻炎

こちらを覗くぽん先生
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トップ画像:飼い主の鼻をチェックするぽん先生(@comatsu_cotoLi

文鳥も鼻炎を起こします。

人間は花粉症などのアレルギー性鼻炎が多いようですが、文鳥ではアレルギーは多くありません。むしろ、細菌の感染や粘膜の損傷によって鼻炎を起こします。

鼻炎から副鼻腔炎や結膜炎などに広がっていってしまうことが多々あるため、早期に治療したい症状です。

鼻炎は様々な病気の症状として現れるため、原因の特定が難しい場合があります。

鼻炎の原因は、「感染性」と「非感染性」の大きく2つに分けることができます。

感染性

細菌や、トリコモナスのような寄生虫によって感染性の鼻炎を発症する場合があります。

免疫力や鼻の粘膜が正常に機能していれば多くを予防できます。

しかし、購入や引っ越しによる環境変化は文鳥にストレスを与え免疫力を低下させますし、餌にビタミンAが欠乏していれば粘膜による防御が機能しなくなってしまいます。

したがって、細菌等への感染が直接的な原因になっていたとしても、飼育環境の不備や環境変化が発症の誘因になっている場合があることに注意しましょう。

非感染性

栄養不足や刺激性ガスの吸引、異物の吸入などによって非感染性の鼻炎が生じます。

鼻の粘膜の機能を維持するためにはビタミンAが重要な役割を果たしており、欠乏すると粘膜によるバリアが崩壊し、鼻炎に至ります。

また、タバコや殺虫剤、テフロン、ホルムアルデヒド、アンモニアなど、刺激性のガスを吸うと鼻の粘膜が損傷し、鼻炎を起こします。

このほか、餌の殻が鼻に入ってしまったり、ほこりを吸ってしまったりして、うまく取れないと鼻炎になってしまうこともあります。

さらに、ペレット等の餌に含まれる化学物質や他の鳥の脂粉によってアレルギー性鼻炎を起こす場合も稀にあるようです。

鼻炎と間違いやすい行動

鼻炎を起こすとくしゃみがでますが、健康な文鳥でもくしゃみをしているものです。

特に、水を飲んだ後や水浴びの後にくしゃみをしているのは、それが余程連続していない限りは健康な反応なので安心してください。

文鳥は鼻とノドが人間以上に密接につながっており、くしゃみによって水を出して鼻を正常な状態に保とうとしているのです。あるいは、水浴び後で体が冷えているために、くしゃみをしているだけでしょう。

飼い主を余計に心配させるのは、文鳥にとっても望むところではないのです。

鼻炎の症状

くしゃみや鼻水が出るようになり、鼻水によって顔の羽毛が汚れることがあります。

呼吸時にプスプス、ぐずぐずといった音が出るようになり、止まり木で鼻や顔を掻こうとする様子が見られることもあるでしょう。

症状が進行して重くなると膿性鼻汁が出て開口呼吸するようになります。一般に、鳥は呼吸が苦しくなると呼吸数が20%~50%早くなります。鼻水が見られないときでも呼吸が早くなっている様子が見られたら、他に異変が起きていないか慎重に観察してください。

また、鼻炎から副鼻腔炎を続発することがあります。

副鼻腔とは、クチバシから頭の中に広がっている呼吸に使われている空洞で、迷路状の複雑な形状になっています。

鼻と副鼻腔はつながっており、鼻炎から副鼻腔炎を続発してしまうと、その複雑な構造から治療に時間がかかったり、蓄膿症になってしまったりします。そのほか、副鼻腔が腫れるために眼球の突出が生じたり、クチバシの成長版が障害されてクチバシの形成不全が起きるなど、症状が多様化してしまうことがあります。

副鼻腔炎の他、結膜炎(目)や喉頭炎(ノド)なども続発することがあり、注意を要します。

鼻炎の予防

テフロンとホルムアルデヒド

フライパンに使われているテフロンや、家具や壁紙の接着剤に使われているホルムアルデヒドは、少量でも文鳥の鼻の粘膜を傷つける危険性があります。

テフロンについては、ケージや放鳥エリアをキッチンから隔離し、文鳥がキッチンに行けないようにすることが第一です。キッチンにはテフロン以外にも、火や中毒を起こす食材など、文鳥にとって危険なものでいっぱいです。

キッチンに行けないようにした上で、十分に換気を行うようにしましょう。新しいフライパンを買ってきた時は要注意です。

ホルムアルデヒドについては、新築の家に引っ越す場合には特に注意が必要です。ただでさえ引っ越しによる環境変化で弱っているところにホルムアルデヒドの吸引が重なることになります。これも十分な換気によってリスクを下げましょう。

また、文鳥のケージを棚やラックの上においている飼い主は多いと思いますが、その棚を新しいものに交換する時、特に木製の物を買ってきた場合は、ホルムアルデヒドに注意しましょう。買ってきた家具を風通しのいいところに1日~2日おいておくだけでも、ずいぶん変わります。

ビタミンAで粘膜を維持

バランスの取れた食餌は健康管理の第一歩ですが、鼻炎との関係では特にビタミンAが重要になります。

ビタミンAは鼻だけでなく目や食道などの粘膜の機能を維持するために重要な栄養です。

シード食の文鳥は青菜やビタミン剤が適切に与えられないとビタミンAが欠乏するので注意しましょう。

ペレット食の文鳥の場合、ビタミンAが欠乏する可能性は低いでしょう。過度のビタミン剤投与に注意してください。

ビタミンAは文鳥の体内で、β-カロテンから変換されます。β-カロテンの含有量が多く、文鳥が食べられる野菜には、人参、春菊、小松菜などが挙げられます。

飼育環境を衛生的に保つ

飼育環境を衛生的に保ちましょう。

ケージは汚れていないか、部屋は埃っぽくないかなど、基本的な点から確実にチェックしていきます。

鼻炎との関係では、特に止まり木が衛生的に保たれているかよく確認しましょう。

止まり木が汚れていることで鼻炎を起こし、出てきた鼻水を汚れた止まり木で拭くことで悪化させてしまうという、悪循環が生じてしまいます。

乾燥させない

人間でも乾燥した環境にいるとノドや鼻が痛くなると思いますが、文鳥も乾燥は苦手です。

特に冬場はただでさえ乾燥しているところに暖房をかけるため、極度に乾燥してしまいがちです。

加湿器をつけて、人間も文鳥も健康で快適に過ごせる湿度を維持しましょう。

飼育環境一般について、下記の講義も参考にしてください。

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