文鳥とカルシウム過剰症
トップ画像:カルシウムで首が伸びたぽん先生(@comatsu_cotoLi)
カルシウムは不足しても問題を起こしますが、過剰になっても中毒を起こします。
カルシウム過剰症は骨格形成異常だけでなく、神経症状、腎障害、他の栄養の吸収阻害など、幅広い影響があります。
カルシウム自体の栄養管理はもちろんですが、カルシウムの吸収に関わるビタミンDの摂取量にも注意して、カルシウムの過剰症を予防しましょう。
参考:文鳥とカルシウム欠乏症
サプリメントの過剰投与や、カルシウムの吸収をコントロールしているビタミンDの過剰摂取などによって、カルシウム過剰症を起こします。
参考:文鳥とビタミンD過剰症
カルシウムは骨格を形成するために重要なミネラルですが、血液中にも一定の濃度で存在し、神経の働きや筋肉運動にも関与しています。
したがって、カルシウムの過剰吸収は骨格形成に異常を生じるだけでなく、各種神経症状や臓器の石灰化を招きます。
カルシウム過剰症の症状
血中のカルシウム濃度が高くなって高カルシウム血症を起こし、腹痛・食欲不振・便秘などの症状が見られます。
心不全、痙攣、ショックを起こしたり、動脈にカルシウムが沈着することによる動脈硬化を起こしたりします。
また、内蔵、特に腎臓にカルシウムの沈着が起こり、腎臓の機能が障害されます。この場合、多尿、食欲不振、下痢、跛行などの症状が見られます。
さらに、腎臓へのダメージをきっかけに腎臓痛風を起こす場合があり、突然死の原因になる可能性があります。
成長期の文鳥では、骨格の形成異常を引き起こします。
産卵関係では卵殻にカルシウムが過剰沈着し、ヒナが殻を割ることができなくなることがあります。
そのほか、カルシウムの過剰は他のビタミン・ミネラルの吸収を阻害します。特にマンガンの欠乏により腱はずれ(ペローシス)が起きて足が開きっぱなしになってしまう場合があります。
カルシウム過剰症の予防
カルシウムおよびビタミンDの摂取量を適切に管理することにより、カルシウム過剰症を予防することができます。
カルシウムやビタミンDは過剰症や欠乏症を起こさない許容範囲が比較的狭い栄養素であるため、注意が必要です。
ビタミンDの過剰摂取については、下記の講義で解説しています。
参考:文鳥とビタミンD過剰症
文鳥のカルシウム源はボレー粉などの副食やサプリメント、ペレットがあります。
特に注意が必要なのはサプリメントの取り扱いです。
サプリメントを飲み水に溶かしたり、主食に振りかけたりすることがあります。これによって、ビタミン・ミネラルを確実に文鳥に与えることができますが、一方で過剰になっても避けることができないという問題を起こします。
サプリメント自体の用法・用量を守ることはもちろんですが、副食・ペレットと併用する場合には分量や与え方を慎重に検討する必要があります。獣医師に相談すると良いでしょう。
また、ペレット食の文鳥の場合は、基本的にはサプリメントと併用する必要はありません。
病気を患った場合の治療目的で一時的にサプリメントの併用を行う場合がありますが、その場合には必ず獣医師からの指示があるはずですから、従うようにしましょう。
参考文献
書籍
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