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文鳥国勢調査2019 結果報告 [1: 人口編]

文鳥国勢調査[1: 人口編]
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2019年(令和元年)9月1日〜9月30日に実施された第1回 文鳥国勢調査の結果をご報告致します 回答数は1723件! 皆さま、ご協力ありがとうございました。

報告内容を1ページにまとめると非常に長くなって読みづらいので、分割して公表しています。

このページでは「1: 人口編」と題して、文鳥の人口(文口?)にまつわるテーマの調査結果と考察を発表します。

※スマートフォンでご覧の方は、グラフを横にスワイプすることで全体を確認できます。

※なお、便宜上「11羽以上飼育している」との回答は「11羽」として計算し、「11歳以上の文鳥」は「11歳」として計算しています。

調査結果

文鳥の男女比は、次のグラフのとおりになりました。

全体で2,603羽のうち、オスが53.1%(1,381羽)、メスが40.5%(1,055羽)、性別不明が6.4%(167羽)となりました。

さて、この「性別不明」の子たちがオス・メス半分ずつだと仮定すると、オスが56.3%に対してメスが43.7%となり、明らかにオスの比率が高いことが分かります。

出生時の比率は概ねオス・メス半々のはずですから、何らかの選別が働いていると考えられます。それは一体なんなのでしょうか?

仮説を立ててみましょう。

仮説1:メスが短命だからオスが多くなった

メスは産卵に関連した疾病のリスクが高く、様々な飼育書で注意喚起がされていますし、文鳥大学でも解説を行っています。

メスの文鳥が持つこうしたリスクから、実際にメスは短命になってしまい、全体のオス・メス比がオス過多に傾いているのかも知れません。

仮説2:飼い主がオスを選んでいる

あるいは、「メスは難しいからできればオスの文鳥を迎えよう」という飼い主による選別が働いている可能性も考えられます。

一般に、文鳥のオス・メスをヒナの段階で見極めるのは至難のワザだと言われています。しかしながら、挿し餌を卒業した「中雛」以降の文鳥に育った子を迎える飼い主も一定数います(2: 食生活編で触れます)。

ある程度育つと、オスであることを示す「ぐぜり」を見せる子も現れるため、オス・メスの判別は比較的カンタンになります(メスでもぐぜりらしき行動を見せる場合もあるため、確実ではありませんが…)。

こうした事情から「飼い主たちがそれなりに正確にオス・メスを見分けて文鳥を迎えており、全体がオス過多になっている」という可能性が考えられるのです。

文鳥の年齢構成

調査結果

文鳥の年齢構成は次のグラフのとおりになりました。

おおむね、年齢が上がると人口が減っていくという自然な傾向を示していることが分かります。文鳥の社会では少子高齢化問題は発生しておらず、未来は明るいのです。

ここで注目すべきは、「0歳の文鳥が少ない」ことと、「5歳から6歳にかけて人口が大きく減っている」ことの2点でしょう。

ポイント1:0歳の文鳥が少ない

グラフを見ると、0歳の文鳥が477羽(17.75%)、1歳の文鳥が478羽(17.78%)となっており、ほとんど人口に差が無いどころか、1歳の方が多くなっていることが分かります。

年齢構成のグラフは階段状になっており、その階段の傾きから直感的に分かるように、0歳の文鳥は550羽ぐらい居てもおかしくなさそうです。一体なにが起きているのでしょうか?

最もありそうな原因は、調査票の作りが甘かったことです。つまりは、調査票を作った文鳥大学の事務員(人間)の責任です。

調査票では「今現在飼育している文鳥の年齢につき、該当する羽数を選択してください。」という聞き方をしています。この聞き方では、「最も近い年齢を選べということかな?」と考える人が多数出てきます。

しかし、「最も近い年齢を選ぶ」という方法では、「1歳」にカウントされるのが「0.5歳〜1.4歳」までなのに対して、「0歳」にカウントされるのは「0.4歳以下」の場合しか存在しません。つまり、1歳と0歳とで対象期間の幅に差が生じてしまっているのです。

いくら文鳥国勢調査が初めての試みであったとはいえ、これは社会調査における初歩的なミスです。調査にご協力頂いた皆さまには誠に申し訳ありません。事務員(人間)には社会調査の補習を課しておきます。

とはいえ、仮に正確に調査できていたとしても、0歳の文鳥の人口は少なめになるはずではあります。なぜなら、この文鳥国勢調査は「一般家庭に飼育されている文鳥」を主な対象として行われているからです。

文鳥の男女比の項でも少し触れましたが、文鳥を生まれた瞬間からずっと飼育している飼い主は意外に少ないものです。

すると、ヒナは生まれてから一定期間はペットショップやブリーダーのもとで育つため、この期間の文鳥は「一般家庭に飼育されている文鳥」にあてはまらず、調査対象に入ってこないのです。

この影響がどれくらい結果にあらわれてくるかは、次回の文鳥国勢調査で明らかになるでしょう。

ポイント2:5歳から6歳にかけて人口が大きく減っている

こちらは少しショッキングな調査結果かもしれません。

年齢が上がるにつれて階段状に人口が減っていく文鳥ですが、最も落差が大きいのは5歳から6歳にかけてです。

5歳の文鳥は238羽、6歳の文鳥は128羽です。6歳の人口は5歳の人口の53.8%に過ぎず、約半分になっていることが分かります。

様々な文献で文鳥の平均寿命は8年程度と記述されていますが、8歳どころか6歳の時点で大きな人口の崖があるのです。

ちなみに、6歳以上の人口比率は15.07%、8歳以上では6.06%に過ぎません。

まだ初回の調査であるため、偶然このような結果になっただけの可能性もあります。

しかしながら、「文鳥の人口の崖は6歳なのか?」あるいは「文鳥の平均寿命は本当に8歳なのか?」は次回の調査でも重要なポイントになるでしょう。

文鳥の色

調査結果

文鳥の色の構成は、次のグラフのとおりになりました。

1位から順番に見ていきましょう。

1位:白文鳥

白文鳥が35.7%(930羽)で堂々の1位となっています。

羽を咥えるキャンディ先生

白文鳥のキャンディ先生(@macandy_buncho)

白文鳥は愛知県の弥富市で江戸〜明治期に誕生・定着したのが発祥であるとされており、日本人に昔から愛されてきました。弥富市は文鳥ファンの聖地の一つでもあります。

2位:桜文鳥(パイド)

構成比2位は桜文鳥(パイド)で、32.7%(853羽)でした。

飼い主を眺めるひなた先生

桜文鳥のひなた先生(@chiyochiyo_17)

桜文鳥は、いわゆる「文鳥カラー」である黒やグレーの体毛の中に、白い羽毛がまだら(パイド)に入っている色の子を指します。この白いまだらを桜の花びらに例えて「桜文鳥」というわけです。この白いまだらが全く無い子は、「ノーマル文鳥(並文鳥)」と呼ばれます。

「桜の花びら」とはいえ、白の入り方は千差万別です。ノーマル文鳥にかなり近い子もいれば、ほとんど白文鳥と見分けがつかないほど白が入っている子もいます。

3位:シルバー文鳥

構成比の3位はシルバー文鳥(8.1%:212羽)です。

芸術的美しさのスピネル先生

シルバー文鳥のスピネル先生(@halsameyero)

シルバー文鳥は1980年代にヨーロッパで作出されたと言われており、ノーマル文鳥の色が薄くなって銀灰色に見えます。シルバー文鳥も色の濃さが様々で、ほぼノーマル文鳥の子もいれば、白文鳥のように見える子もいます。

4位以下はグラフをご覧ください。

なお、「その他の色」で多かったのはシルバーイノやクリームイノなどのイノ系の文鳥でした。「イノ」はアルビノ(albino・白化個体)のinoで、色素を持たないアルビノに近い、非常に色素の薄い品種を指しています。

文鳥の色については楓工房さんの遺伝学講座が非常に勉強になります。

文鳥の県別飼育数

調査結果

文鳥の県別飼育数は次のグラフのとおりになりました。

上記の結果を人間の人口比率ランキングと照らし合わせてみると、「人がたくさんいる都道府県には文鳥もたくさんいる」という傾向が分かります。

文鳥国勢調査は「一般家庭に飼育されている文鳥」が主な対象であるため、「人がたくさんいるところに、飼育されている文鳥もたくさんいる」というのは順当な結果と言えます。

ポイントを指摘するとすれば、「3位:愛知県」と「8位:北海道」の2つでしょう。

ポイント1:愛知県

愛知県は文鳥飼育数で3位につけており、9.2%のシェアを持っています。一方で、愛知県の人口は4位で、人口比率は5.6%です。

人口比率で3位の大阪府(6.9%)は、文鳥飼育数でのシェアは8.8%で、愛知県に抜かれて4位です。

僅差ではあるものの、愛知県は人口で負ける大阪府に文鳥飼育数では勝った形になります(勝ち負けを競っているわけではありませんが…)。

文鳥の色の項で解説したように、愛知県は弥富市という「白文鳥発祥の地」を有しており、かつては世界的な文鳥の産地の一つでした。

もしかすると、その頃の名残で今でも愛知県では文鳥の飼い主が多いのかもしれません。

ポイント2:北海道

文鳥飼育数8位の北海道(116羽:4.5%)は、人間の人口比率でも8位(4.2%)となっています。

文鳥は熱帯であるインドネシア原産の小鳥であり、寒さには強くありません。「亜寒帯に属する北海道では飼育数が少ないのでないか?」と予想していたのですが、特にそんなことはありませんでした。

一般家庭における文鳥の飼育方法は、完全屋内飼育が普通だと考えられます。おそらく、北海道では厳冬を乗り切るために暖房が整備されており、文鳥たちは冬でもぬくぬくと快適に過ごすことができるのでしょう。

この点、文鳥大学では「現代日本の文鳥たちの生活環境は、四季のある日本の気候よりも、原産地であるインドネシアの方が近いのではないか?」という指摘を行っていましたが、北海道でも問題なく飼育されている事実は、上記の仮説を支持すると言えるかもしれません。

文鳥の入手方法

調査結果

飼い主たちの文鳥の入手方法については、次のグラフのとおりになりました。

グラフからハッキリ分かるとおり、「ホームセンター、ペットショップチェーン」から文鳥を迎えた飼い主が大多数であることが分かります(856人:65%)。

ペットショップ等における生体販売については、動物福祉の観点等から様々に議論されていますが、文鳥もその例に漏れないということが言えそうです。

つまり、文鳥の流通の主要部分はホームセンターやペットショップチェーンが担っているがゆえに、生産者(産業的に文鳥を育てている方々)への影響力も大きいと考えられます。

現代的な経済制度の中で、どこまで文鳥たちの福祉を実現できるかは、飼い主・流通業者(ホームセンターやペットショップチェーン)・生産者の3者がいかに協働できるかに掛かっていると言えるでしょう。

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