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文鳥の主食となるシードの特徴と成分

何かを訴えかけるぽん先生
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トップ画像:カナリーシードを要求するぽん先生(@comatsu_cotoLi)

文鳥の主食となるシードについて、主要4種の特徴と成分を確認しましょう。

見た目にはどれも大差無いように見えるシードですが、それぞれに特徴があります。

また、主食だけでは十分に補給することができないミネラルやビタミンについても、具体的な数字で確認することで深い理解に繋がります。

なお、主なビタミン源となる野菜については下記の講義で詳しく検討していますので、あわせてご覧ください。

野生の文鳥は穀物種子(シード)を主食とし、たまに昆虫などを食べる雑食性の小鳥です。

一般的な家庭で昆虫を日常食とすることは稀で、文鳥の主食はシードかペレットになります。

シードは市販の皮付き混合シードがよく用いられます。アワ、キビ、ヒエの基本3種に加えて、カナリーシードなどが少量加えられている場合が多いでしょう。

文鳥のクチバシはシードの殻を剥くために特化しており、シードの殻を剥くという行為自体が文鳥にとって楽しく、ストレス解消になっていると考えられています。また、シードの保存期間を見ても、剥き餌では約1ヶ月程度しかないのに対して、皮付餌では約3ヶ月程度に伸びます。

外部サイト:キクスイ FAQs

このように、文鳥の生態を考えても、シード自体の保存性を考えても、剥き餌よりも皮付餌の方が優れていると言えます。

なお、同じアワやキビでも産地などによって色が異なります。鳥類飼料の製造販売で定評のあるキクスイでは、色違いの混合シードを「赤」「白」と2つに分けて販売しています。

色によって成分が異なる訳ではありませんから、どちらの色を主食にしても構いません。しかし、ある文鳥は赤のシードばかりを食べる一方で白のシードはほとんど食べなかったり、別の子は逆だったりと、色によって好みが分かれるようです。

では、以下で最も基本的な4種のシードである、アワ、キビ、ヒエ、カナリーシードについて個別に特徴を確認していきましょう。

アワ(粟)の特徴

一般的な混合シードでは約3割がアワで構成されています。

ビタミンB1、葉酸、鉄などを多めに含んでいるのが特徴です。また、ロイシン、スレオニン、アラニンなどのアミノ酸組成値が高く、肝機能増強や成長促進、脂肪燃焼などの働きを助けます。

トリプトファンの値が高い点も特徴です。トリプトファンは神経伝達物質セロトニンの原料となり、脳の松果体でメラトニンというホルモンに変換されます。メラトニンは神経や体内時計を安定させ、正しい生活リズムを持たせるために必要なホルモンです。

また、メラトニンには催眠効果もあるため、アワダマを与えられたヒナは良く眠り、よく育ちます。

キビ(黍)の特徴

一般的な混合シードでは約2割がキビで構成されています。

アワと遜色ないビタミンB群を含み、高タンパクで食物繊維の少ないシードです。

亜鉛のダメージを受けた体の回復やタンパク質の代謝を促し、減量中の文鳥や換羽期を迎える文鳥に好適であるとされています。

ヒエ(稗)の特徴

一般的な混合シードでは約半分がヒエで構成されています。

食物繊維がアワやキビよりも多いため消化が早く、一定時間でたくさん食べます。

平均的な栄養価を持っていますが、トリプトファンの量が少ない点には若干注意を要するでしょう。ヒエばかり与えていると脳が正常に働かなくなって体内時計が狂ったり、沈うつ状態になって羽咬症や毛引きの原因になることがあります。

カナリーシード

一般的な混合シードには少量プラスされています。ダイエット用では含まれていないことが多いでしょう。

カナリーシードは脂質が多く、文鳥がとても好むシードです。混合シードを与えても、まずカナリーシードだけを選別して食べていく子も多いと思われます。

高カロリー高脂質のシードであるため、カナリーシードばかり食べていると肥満の原因になります。このため、カナリーシードは与えないという飼い主も一定数存在するようです。

とはいえ、他のシードに比べて圧倒的に多いタンパク質を有しており、食物繊維も豊富です。筋肉組織を強化するアミノ酸であるアルギニンや、疲労に対して効果のあるアスパラギン酸などを豊富に含有しています。

シード食メインの文鳥のアミノ酸バランス調整に非常に有効なシードであると言えるでしょう。

シードの成分表

参考のため、シードの成分表を掲載します。

カナリーシード以外のシードは、日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用しており、カナリーシードはNutrient Composition of Canaryseed Groatsより算出した値になっています。

また、アワ・キビ・ヒエは精白後の成分になっています。文鳥は一番外の殻だけ剥いて、「玄米」ならぬ「玄アワ」や「玄キビ」の状態で食べますから、下記の表の値よりも多くの栄養を摂取していると考えられます。

精白による影響の参考にするために、精白後のコメと玄米の成分を掲載しています。どの程度栄養に差が出るのかの手がかりにしてください。

可食部100gあたり一般成分

アワ キビ ヒエ カナリーシード (参考)コメ (参考)玄米
エネルギー
kcal
367
363
366
399
358
353
水分
g
13.3
13.8
12.9
9.7
14.9
14.9
タンパク質
g
11.2
11.3
9.4
21.7
6.1
6.8
脂質
g
4.4
3.3
3.3
5.6
0.9
2.7
炭水化物
g
69.7
70.9
73.2
60.9
77.6
74.3
食物繊維総量
g
3.3
1.6
4.3
7.6
0.5
3
ミネラル
g
1.4
0.7
1.3
2.2
0.4
1.2

可食部100gあたりアミノ酸

アワ キビ ヒエ カナリーシード (参考)コメ (参考)玄米
イソロイシン
mg
470
450
450
845
240
270
ロイシン
mg
1500
1400
1000
1647
500
560
リシン(リジン)
mg
220
160
130
563
220
270
メチオニン
mg
380
350
240
412
150
160
シスチン
mg
220
200
140
542
140
160
フェニルアラニン
mg
630
630
660
1409
320
360
チロシン
mg
350
410
350
780
230
310
トレオニン(スレオニン)
mg
440
350
320
585
220
250
トリプトファン
mg
210
150
110
607
84
100
バリン
mg
580
550
540
1040
350
410
ヒスチジン
mg
260
250
210
347
160
190
アルギニン
mg
350
350
270
1387
500
590
アラニン
mg
1000
1200
920
975
340
390
アスパラギン酸
mg
790
670
570
953
570
660
グルタミン酸
mg
2400
2500
2200
5634
1100
1200
グリシン
mg
300
250
210
672
280
330
プロリン
mg
970
790
680
1344
290
320
セリン
mg
550
700
470
975
310
340
ヒドロキシプロリン
mg
-
-
-
-
-
-

可食部100gあたりミネラル

アワ キビ ヒエ カナリーシード (参考)コメ (参考)玄米
ナトリウム
mg
1
2
6
0.8
1
1
カリウム
mg
300
200
240
363
89
230
カルシウム
mg
14
9
7
29
5
9
マグネシウム
mg
110
84
58
196
23
110
リン
mg
280
160
280
583
95
290
mg
4.8
2.1
1.6
7.4
0.8
2.1
亜鉛
mg
2.5
2.7
2.2
3.3
1.4
1.8
mg
0.49
0.38
0.15
0.7
0.22
0.27
マンガン
mg
0.88
-
1.37
5.1
0.81
2.06
ヨウ素
μg
0
0
0
-
0
微量
セレン
μg
2
2
4
200※
2
3
クロム
μg
1
1
2
-
0
0
モリブデン
μg
22
16
10
-
69
64

※カナリーシードのセレンの値が成人1日の平均摂取推奨量の約4倍になっている。おそらく元資料の誤記だがそのまま掲載する。別資料を見つけ次第追って訂正予定。

可食部100gあたりビタミン

アワ キビ ヒエ カナリーシード (参考)コメ (参考)玄米
レチノール
μg
0
0
0
-
0
0
ビタミンA
μg
0
0
0
-
0
1
ビタミンD
μg
0
0
0
-
0
0
ビタミンE
mg
2.8
0.9
1.3
2.49
0.1
1.4
ビタミンK
μg
0
0
0
-
0
0
ビタミンB1
mg
0.56
0.34
0.25
0.65
0.08
0.41
ビタミンB2
mg
0.07
0.09
0.02
0.09
0.02
0.04
ナイアシン
mg
2.9
3.7
0.4
1.2
1.2
6.3
ビタミンB6
mg
0.18
0.2
0.17
0.16
0.12
0.45
ビタミンB12
μg
0
0
0
-
0
0
葉酸
μg
29
13
14
-
12
27
パントテン酸
mg
1.83
0.95
1.5
-
0.66
1.37
ビオチン
μg
14.4
7.9
3.6
-
1.4
6
ビタミンC
mg
0
0
0
-
0
0

※ビタミンAはβ-カロテン相当量を記載

※※主要ビタミンの働きについてはこちらの講義を参照

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