文鳥と皮下気腫
トップ画像:水浴び後に寒くて膨らんでいるだけのぽん先生(@comatsu_cotoLi)
皮下気腫は気のうに穴が空くなどして空気が体の中へ漏れて溜まってしまい、体表が膨らんでしまう症状です。
ひどくなると体が風船のように球形に膨らんでしまい、痛々しい外観になってしまいます。
皮下気腫自体の症状は体の膨張だけですが、必ず何らかの疾病を併発しているはずですから、膨らみが小さな内に病院を受診しましょう。
皮下気腫の原因
気のうに穴が空き、皮膚と筋層の間に空気が入り込んでしまうのが主な原因です。
気のうに穴が空く原因は、同居鳥や犬猫の攻撃によるケガや飛行時の激突、感染性の気のう炎が挙げられます。
参考:文鳥と気のう炎
気のうに小さな穴が空いたり、裂け目ができたりすると、そこが弁の機能を果たして空気が溜まるようになります。つまり、息を吸った時には気のうが膨らむため弁が開いて空気が漏れ出し、息を吐く時には気のうがしぼむため弁が閉じて皮下の空気が外に出られなくなるのです。
気のうに大きな穴が空いた場合は、急激に体全体が膨らみます。
また、骨折により含気骨から皮下に空気が漏れることが原因になる場合もあります。含気骨とは、中が空洞になっている骨のことで、気のうと繋がって呼吸器の一部を成しています。
参考:文鳥と骨折
このほか、哺乳類と同様に肺に穴が空くことが原因になることがあるほか、食道や気管の損傷が原因になる場合があるようです。
皮下気腫の症状
皮下に空気やガスが溜まり、膨張します。その異様な外観から、すぐに気づくことができるでしょう。
最初は一部の皮膚に膨らみが見られる程度ですが、すぐに全身の皮下に空気が溜まるようになり、体全体が丸く、風船のように膨らみます。
やや元気が無くなりますが、皮下気腫自体の症状はこれだけである場合が多いです。皮下に溜まった空気は、病院で注射器を使って抜いてもらうことができます。
しかし、皮下気腫が生じているということは、気のうの穿孔や破裂、含気骨の骨折など、他に何らかの疾患があるということです。皮下気腫の原因になっている疾患が治療されない限り、いくら空気を抜いてもまた膨らんでしまうでしょう。
皮下気腫の予防
皮下気腫の主な原因は気のうの穿孔・破裂や骨折です。
まずは文鳥がケガをしないように飼育環境を整えましょう。
特に犬猫も飼育している家庭では、犬猫のいる部屋にケージを設置することは避けましょう。ケガの原因になるだけでなく、文鳥にストレスを与えてしまいます。
ガラス窓への激突を避けるため、放鳥時にはカーテンを閉めましょう。また、部屋の中に鋭利な突起物が無いことも確認してください。
刺激性のガスは気のう粘膜を傷つけます。文鳥の居る部屋でタバコを吸ったり、ヘアスプレーを使ったりしないようにしましょう。キッチンに近づけさせないことも重要です。
参考:文鳥のケージ設置場所
このほか、感染性気のう炎が重篤化することで、穴が空いてしまうことがあります。
病原体への感染を防ぐため、粘膜の防御機能を健康に保ちましょう。
食餌の栄養バランスを整え、特にビタミンAが欠乏しないように注意しましょう。
参考:文鳥とビタミンA欠乏症
規則正しい生活リズムと衛生的で快適な生活環境を維持して、文鳥に過度のストレスを与えないことも重要です。
カルシウムやビタミンDが不足すると骨折を起こしやすくなりますから、ボレー粉などの副食をしっかり与え、日光浴を欠かさないことも重要です。
参考文献
書籍
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