公開 更新

文鳥と大腸菌症

身ぎれいにするぽん先生
役に立ったらシェア:

トップ画像:水浴びして衛生的になったぽん先生(@comatsu_cotoLi)

大腸菌というと人間ではO157による食中毒が有名ですが、文鳥も感染します。

穀食の文鳥は常在菌として大腸菌を保有しておらず、人間には病気を起こさない種類の大腸菌に感染しても深刻な症状を見せることがあります。

健康な体と衛生的な環境を保ち、しっかり予防しましょう。

大腸菌は、健康な人間の大腸内で生息し、また環境中にも広く分布している細菌です。

大腸菌には様々な「血清型」と呼ばれる種類があります。最も有名な血清型はO157でしょう。

O157のような病原性の大腸菌もありますが、多くの大腸菌は非病原性であり、人間の大腸内の常在菌として普通に存在しています。

しかし、鳥については事情が異なります。文鳥はもちろんのこと、飼い鳥のほとんどである穀食や果実食の鳥は、常在菌として大腸菌を持ちません。肉食と昆虫食の鳥にだけ、常在菌として存在します。

このため、多くの飼い鳥は大腸菌に対する防御機構が発達しておらず、人間にとっての病原性・非病原性に関わりなく全ての大腸菌によって病害をもたらされる可能性があります。

なお、文鳥は本来昆虫も食べます。こうした鳥は繁殖期など必要な栄養量が増加した際に昆虫を食べ、その時期だけフンに大腸菌が見られることはあります。しかし、そうした時期以外に大腸菌が観察される場合は病原性のものであるとみなされます。

野生の文鳥ならまだしも、日本国内で飼育されている多くの文鳥は昆虫を食べることなく育てられています。「大腸菌が観察されたが非病原性であった」という事態は想定しづらいでしょう。

大腸菌症の原因

大腸菌はいたるところに存在します。

大腸菌に汚染された野菜や食器、大腸菌を保有するほかの鳥の糞便を摂取することで感染します。また、大腸菌を含む粉塵を吸入することにより、呼吸器経由で感染する場合もあります。

健康であれば呼吸器の粘膜が防御することにより感染が防がれますが、ストレスや他の疾病などによって弱っていると、感染しやすくなります。

このほか、卵管や卵巣に大腸菌が感染すると、卵内に大腸菌が移行することがあります。また、糞便に卵が汚染されて、卵内に大腸菌が侵入することもあります。

大腸菌は人間にも感染しますが、飼い鳥から人間への感染し、発症することはあまりありません。大腸菌症を起こした飼い鳥の大腸菌の多くは人間にとって非病原性であるためです。

むしろ、大腸菌性は人間から鳥へと感染する疾患です。

大腸菌症の症状

急性の腸炎を発症し、食欲不振や体重減少、重度の下痢や嘔吐を生じます。

肉芽腫性の大腸菌性は、他の原因で腸粘膜が損傷したところに大腸菌が二次感染することによって生じます。下痢や多尿、慢性的な体重減少を示し、腸以外にも肝臓や腎臓などにも肉芽腫が形成されます。また、皮膚における肉芽腫性皮膚炎が見られることもあります。

また、大腸菌を含む粉塵を吸入することにより、重い気のう炎を生じ、呼吸困難やチアノーゼを起こすことがあります。気のうが接触している腹膜へと波及し、漿膜炎を起こすこともあります。また、鼻炎を続発します。

最も研究が進められている鳥であるニワトリでは、大腸菌性敗血症が主要な疾患として知られています。呼吸器から侵入した大腸菌が血液に乗って全身臓器に広がり、炎症を起こします。

最初は元気の消失や呼吸器症状が現れ、次いで嗜眠、食欲不振、膨羽、下痢、多尿が見られ、死に至ります。

慢性例では卵管炎や眼球炎、関節炎なども見られます。

大腸菌による卵管炎については、排泄腔から上行した大腸菌や、気のう病変からの波及によっても生じます。オスの場合でも、稀に精巣炎を起こします。

ヒナ鳥では、敗血症に続いて関節や骨髄で大腸菌の繁殖が起きることがあり、特にフィンチでは感染しやすいことが知られています。痛みのためにうずくまって動かなくなる様子が見られるでしょう。

大腸菌症の予防

ニワトリではワクチンがありますが飼い鳥には無いため、大腸菌症については予防が特に重要になります。

人や人の生活環境から飼い鳥へと大腸菌が感染するため、家を清潔に保ち、しっかり換気を行いましょう。飼育器具や食器は特に衛生的に保つように注意してください。

また、野菜や果物(特に有機栽培のもの)はよく洗ってから文鳥に与えてください。

外出からの帰宅時やトイレの後には、必ず手を洗ってから鳥に触れるようにしましょう。小さな子どものいる家庭では、子ども自身の健康のためにも手洗いを徹底しましょう。

また、文鳥の食餌の栄養バランスを良好に保ち、体の防御機構を健康に保つことも重要です。特に呼吸器や腸の粘膜は重要な役割を果たすため、ビタミンAを欠乏させないように注意しましょう。

役に立ったらシェア:

関連記事


0件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です