文鳥と食滞(そ嚢停滞)
そ嚢にエサが溜まってしまって、腐敗を起こしたり病原体の繁殖を起こしたりしてしまうのが食滞(そ嚢停滞)です。挿し餌を与えられているヒナに多く見られますが、成鳥でも起こりうる病気です。エサが食べられない状況は、文鳥を危険にさらします。症状と予防方法を確認しておきましょう。
そ嚢にエサが溜まってしまって、腐敗を起こしたり病原体の繁殖を起こしたりしてしまうのが食滞(そ嚢停滞)です。挿し餌を与えられているヒナに多く見られますが、成鳥でも起こりうる病気です。エサが食べられない状況は、文鳥を危険にさらします。症状と予防方法を確認しておきましょう。
そ嚢炎は大人になった文鳥にはあまり見られませんが、人間による挿し餌で育つヒナには発生しやすい病気です。そ嚢は食べた餌を貯めておく器官です。そ嚢が炎症を起こして餌を食べられなくなると、文鳥はあっという間に衰弱してしまうので注意が必要です。
腸炎は人間でも文鳥でも起こります。腐ったものを食べると腸炎を起こすのは人も文鳥も共通ですが、人間では感染症のほか、食べ過ぎや飲み過ぎによって腸炎が生じます。文鳥は感染症や中毒によって腸炎を起こします。腸炎は下痢を起こし、文鳥のような小さな鳥はすぐに脱水状態になってしまい危険です。しっかり予防しましょう。
人間ではお酒の飲み過ぎや不規則な生活、過度のストレスなどで胃炎が起きます。文鳥の胃炎は、主にカンジダやトリコモナスなどの感染によって引き起こされます。胃炎が進展して胃潰瘍や胃穿孔(胃に穴があく)になってしまうと大事に至る可能性もあるため、油断できない病気です。
文鳥も鼻炎を起こします。人間は花粉症などのアレルギー性鼻炎が多いようですが、文鳥ではアレルギーは多くありません。むしろ、細菌の感染や粘膜の損傷によって鼻炎を起こします。鼻炎から副鼻腔炎や結膜炎などに広がっていってしまうことが多々あるため、早期に治療したい症状です。
口内炎は比較的よくある症状ですが、文鳥の身体の構造上、手当てが遅れると副鼻腔炎などの治療に時間がかかる病気に発展する危険性があります。一緒に暮らしている飼い主が病気のサインをしっかりキャッチすることで、早めに治してあげたいですね。また、口内炎は挿し餌の関係から、特に文鳥のヒナでは注意が必要です。
ペレット食やビタミン剤が普及した現在では発症の可能性が減少してはいるものの、シード食の文鳥さんでは引き続き注意が必要なのが「ビタミンA欠乏症」です。ビタミンAが欠乏すると全身に病状が現れる可能性があり、やっかいです。予防できる病気ですので、しっかり理解して文鳥さんの健康を守ってあげてくださいね。
甲状腺腫はヨウ素の欠乏が慢性化することによって生じる疾病です。甲状腺は代謝に関与する重要なホルモンを分泌しているほか、近隣に気道や食道、心臓等の重要な器官があるため、甲状腺腫が発症すると様々な症状を引き起こす可能性があります。
トリコモナス症は文鳥がかかる病気の中でも特に有名です。トリコモナス原虫に寄生されることによって感染し、特に幼鳥やヒナが死に至るケースが多い病気です。しかし、正しい知識を身につけることで予防することができますし、早期に発見できれば幼鳥やヒナでも助けることができます。しっかり学んでいきましょう。