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文鳥と暑さ対策

パタパタするぽん先生
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トップ画像:パタパタするぽん先生(@comatsu_cotoLi)

文鳥は比較的暑さに強い鳥ですが、真夏の密閉された部屋に放置されれば熱射病を起こしてしまいます。

特に飼い主のいない外出時は、適切に暑さ対策を行わなければ危険です。

暑すぎず寒すぎず、文鳥にとって快適な温度を保つための暑さ対策について学びましょう。

文鳥にとって快適な温度は25度前後であると言われています。人間が快適であると感じている環境であれば、おおむね文鳥にとっても快適であると言えるでしょう。

ただし、上記はあくまでも目安に過ぎません。湿度の状態や風の有無、文鳥自身の年齢や体調、換羽中か否かなどの様々な要素で「快適な温度」は変化し続けます。

したがって、最も信頼できる基準は文鳥自身が暑がる様子を見せているかどうかをマメに観察することです。

暑いと感じている文鳥は開口呼吸や促迫呼吸を見せますから、その時の気温や湿度を忘れないようにしましょう。

飼い主が家にいる間は、飼い主自身が窓を開けたりエアコンをオンにしたりと調節を行うため、あまり「文鳥の暑さ対策」を意識する機会はあまりないでしょう。

外出時の暑さ対策

頭を悩ますのは、飼い主が外出して、文鳥がお留守番をする際の暑さ対策です。外出時に暑さ対策を適切に行わないと、留守中に文鳥が熱射病を起こして死亡する可能性もあります。

かといって、冷房を効かせ過ぎても体調を崩してしまいます。

外出中にも適度な温度を保つため、下記のような暑さ対策を検討するとよいでしょう。

換気する

文鳥の暑さ対策でまず検討すべきは、留守中にも空気の流れを絶やさない仕組みの構築です。

そもそも、文鳥は1年を通じて気温は30度、湿度は80%にもなるインドネシア原産の小鳥です。本来は、日本の夏は文鳥にとって最も快適な季節です。

にも関わらず特別な「暑さ対策」が必要になるのは、気密性の高い現代的な住環境に負うところが大きいと言えます。密閉された空間では空気の流れが全く起こらず、室内の温度がどんどん上昇してしまいます。

そこで、留守中にも換気を行い、空気の流れを絶やさないようにすることが重要です。

防犯用の格子がはめられた窓があるなら、窓を開けて外出すると良いでしょう。

とはいえ、窓を開けて外出するのはやはり物騒ですし、ネコなどの外敵が侵入する危険もあります。

多くの家庭では「換気扇をオンにして外出する」程度が現実的でしょう。キッチンのレンジフードや風呂場・トイレの換気扇をつけ、文鳥のケージがある部屋のドアを開けた状態で外出します。住居の間取りによっては、これだけで十分な暑さ対策になります。

もし家が大きかったり、文鳥の部屋から換気扇までの距離が長くて心もとない場合は、扇風機やサーキュレーターを設置すると良いでしょう。

サーキュレーターは空気の流れを作ることに特化した扇風機とでも言うべき家電製品です。普通の扇風機よりも風が直線的に力強く発生するのが特徴で、換気扇の方へ空気を送り出せば遠くの部屋でも十分に換気ができるほか、エアコンの冷気を部屋全体に偏りなく行き渡らせる目的でも使用できます。

ただし、サーキュレーターを利用するのであれば放鳥時に文鳥が巻き込まれないように十分注意しましょう。

また、扇風機やサーキュレーターの風が直接文鳥に当たらないように位置を調整することも忘れてはいけません。

なお、換気扇に近くなるからといってキッチンや風呂場、トイレなどにケージを移動させるのはやめましょう。慣れない場所で留守を任せられる文鳥は非常にストレスを感じますし、洗剤などの成分が揮発していて中毒を起こす危険もあります。

換気による暑さ対策は「寒くし過ぎる」という危険がなく、最も基本的な暑さ対策です。しかし、近隣で外壁工事などの大気汚染の危険がある場合には、中毒を防止するために部屋を密閉せざるを得ません。

エアコンの温度は28度程度に

換気が十分にできない場合や、大気汚染防止のためにできるだけ外気を遮断したい場合には、エアコンを使用した温度調節を検討します。機種にも寄りますが、基本的にエアコンは室外の空気を取り込む構造にはなっていません。

「暑くなり過ぎること」さえ防止できれば良いので、冷房を28度程度に設定しておけば問題ないでしょう。もちろん、部屋の大きさやエアコンの機種によって、同じ「28度」でも効き方に差があるため、飼い主が家にいる状態で一度は実験しておきましょう。

なお、エアコンの風が直接当たらない場所にケージが設置されているかどうか、いま一度確認しておきましょう。

水浴び器をつける

換気やエアコンなどの基本的な暑さ対策に加えて、水浴び器をつけておくのも良いでしょう。夏場は水に雑菌が繁殖するのも早いですが、換気やエアコンにより室温が上昇しすぎないようにコントロールされているのであれば、そこまで心配する必要はありません。

水浴びを覚えたばかりの幼鳥や足に問題のある子以外は、水浴び器をつけたまま外出しても溺れる心配はまずありません。暑くなった時や退屈過ぎてストレスを感じた際に水浴びを行い、自分自身で快適に過ごすことができるでしょう。

問題なのは、水浴び器をつけただけで「暑さ対策をした」と考えてしまうことです。もちろん、水浴び器が無いよりはあった方が熱射病にはなりにくいでしょうが、根本的な問題解決にはなっていません。密閉された空間での高温多湿環境がある限り、文鳥にはストレスがかかっており、快適な環境とは言えないのです。

保冷剤や凍らせたペットボトルで冷やす

保冷剤や、水を入れて凍らせたペットボトルをケージの上や横に置いておくことで涼を取るという、やや古典的な方法もあります。

エアコンの効きが十分でない場合などは、こうした方法を併用する必要があるかもしれません。

ただし、氷が溶けてしまえばおしまいですから、仕事などで長時間外出する際の暑さ対策としては少々心もとないでしょう。かといって、あまりに大量の保冷剤を設置してしまうと、今度は冷やし過ぎてしまいかねません。

つまり、暑さ対策として不十分なうえに冷やし過ぎる危険も併せ持っており、エアコンが普及した現代では既に役割を終えた手法であると考えられます。

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